Impatiens 4 (ページ4)

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撮影用のメイクを落として自前のメイク道具で再び顔を作り始めた私は急いでいるから所々簡略化

大天使ジェノに会うからナチュナルに見えて入念に作り込まれた顔を目指していたけど泣く泣く諦めた

ジェノたんをお待たせするわけにはいかないもの

｢どこに行くの？｣

｢イタリアン｣

ソファーで携帯を弄っているマークは予定無いしヌナと一緒に出るよとのことで唯一残っている

控室は私達と数人のスタッフさんだけで皆は足早に帰っていった

カムバ直前の早めの上がりは本当に貴重だしこんな時にしか予定を入れない私は狂人扱いをされたよね

｢ジャケット羽織るでしょ｣

｢暑いしお店の空調が強かったら｣

｢腕だけかと思ったら脇腹も｣

アイラインに集中しながら返した答えは珍しくお気に召さなかったらしい

上手く描けたと気分が良くなった私が捉えたのは不満げなマクたんで表情筋が崩壊だよ

可愛すぎる子に鏡越しに“メイク終わったらハグしていい？！”と聞けば呆れた顔をされた

｢せっかく買ったのに夏が終わっちゃうから｣

｢俺の時にすればいいじゃん｣

｢マークには手料理を振る舞おうかと思ってたけど外食がいい？｣

確かにジェノにぜい肉を曝すわけには…とあの子の素晴らしい体を思い浮かべていれば馴染みのある体温に包まれた

今にも私の肩に噛みつきそうな赤ちゃんライオンが本当に珍しくてご機嫌斜めな理由について考える

でも振り向いて捉えた瞳は真っ直ぐキラキラ輝いていていっそ私を吸い込んでくれればいいのにと今日も思うんだ

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｢ご機嫌斜めだったね｣

退勤時の様子が出回って夏でもあまり肌を見せたがらないヌナの珍しい私服にシズニはわいたし皆マクヒョンとのデートだと

いつもより素っ気ない返信の人について尋ねればこっちはいつもの調子で返ってきた

｢ヌナが気合い入れた相手が俺で？｣

｢マークの時も気合い入れるよ｣

誕生会じゃん！と笑うヌナに“心あたりは？”と問えば曖昧な顔をされる

｢血縁抜きにしてマークが1番信用・信頼している大人は私だと思う｣

｢絶対にブレないと信じてきた人の僅かな歪みや揺れに動揺してるのかな｣

｢手を差し伸べたい気持ちと私が信じているのは自分自身だって理解しているからこその葛藤｣

私って可愛くないからと笑う人はあのヒョンの宝物で精神的な支えでもある

甘えて欲しくて頼られたいんだよとの念押しはヌナの歩み寄るような“マークも大人だもんね”との言葉で胸におさめた