Impatiens 4 (ページ13)

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side JY

｢ロロたんがジャニオッパとジョンウの間なら私もちぃたんとロンちゃんの間に入りたいな｣

後ろを振り返りメンバーの立ち位置を確認した人物の呟きは右隣のジェヒョンに告げたものらしい

表情まではわからないけど“狭いし危ないよ”と返すジェヒョンは多少ムッとしているはずだ

オープニングまで時間があることから隣の隣に移動したい可愛い子達に挟まれたいと話すAはドリームと一緒の現場では死に物狂いで動くから笑ってしまう

｢俺だって少しでもジェノの近くに行きたいわ｣

｢だよね私達一緒に来て直ぐ段に上ったのが間違いだったんだよ｣

｢移動から推しの近くをキープしとくべきだったな｣

｢2人とも俺の扱い酷いね｣

自分達の敗因を分析している96年組に拗ねるジェヒョンに2人して違う違うと首も手も横に振っている

｢ユンオも激しく可愛いよ｣

満面の笑みで肩をポンポンと叩くAは人目が無かったら頭や頬を撫でて愛情を示していたに違いない

艶々のウェーブがかかった髪が揺れる彼女の横顔からジェヒョンが可愛いのだと伝わってくる

同じスーツを纏っていても明らかに華奢なAの方が勇ましく見えるのが不思議だよ

side YT

可愛らしい歌声の中に1人随分突き抜けてる奴おるわと思ったのとそういや裏でマイク渡されとったなと思ったのはほぼ同時

こんな空気をものともせず自我を貫く強さ

責任感と任務遂行能力そして歌唱力は流石のさっちゃんや

BoAヌナのNo.1

凛とした伸びやかな歌声は鮮明なのにマイクを託されたドヨンとロンジュンがいる最前線に姿は無くてアイツどこや

｢流石のさっちゃん｣

｢流石すぎてさっちゃん様に格上げや｣

テイリヒョンと一緒に視線を辿れば後方に壁とお友達状態のドンファがおった

画面から捌けていきそうなテヨンにたまに歌わせてあの顔面強者達浮いてんねん

ちらちらと向けられている視線なんてお構い無しの楽しそうな毒気の無い空気

｢こんな時もさっちゃんだね｣

歓声と同時に振り返ったテイリヒョンの言葉

俺達がいるセンターステージに歩いてくる途中で躓いた女性アイドルをAが支えていた

天性の品の良さマナー顔

ホンマの王子様やって思うほど全てが絵になっとるしあの娘の心臓エグいで

ステージ仕様に仕上げられたAは毒

一際小さい端正な顔

長い手足に圧倒的なオーラ

一番厄介なのは自分が唯一無二の存在に思えるあの眼差し

ほら堕ちた