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｢私の演技って良かったですか？｣
｢あぁ 新鋭の女優だな｣
身内だから甘めの評価だねって思っていたのにこうして次の脚本がやってくるとは
そんなことを考えながらユンマネから渡された“ムービング”の脚本に目を通す
｢受けたら楽曲提供は一旦控えていただけますか｣
｢個人活動は勿論抑える｣
抑えるって言葉を選ぶユンマネは流石
演技1本なんて会社が許すはずないんだもの
振り覚え含め記憶力は良い方なんだけど台詞はまた別物で悩ましくなってしまう
また大天使ジェノたんに迫っちゃおうかしら
｢他にもオファーがあったんですか？｣
超能力って誰しも1度は憧れるよねと思いながら尋ねた質問には“会社的にムービングが1番良かった”と返ってきたから選び抜かれた作品かと
憧れていた制服での高校生活を今になって2回も送ることができるとは有難い限り
｢団体スケジュールと折り合いがつかず断ったが再打診 結局カムバと極力被らない形でって話はつけてある｣
｢良い案件だったんですね｣
｢錚々たる俳優陣に劣らないと思っているしAなら上手くできる｣
空飛んじゃうよ？闘っちゃうよ？とワクワクする私に俳優は向いていないと思う
この作品を選んだ理由？
会社のゴリ押しと超能力への憧れって薄い理由で困っちゃうね
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“12月に暇な天使募集中”
“ヌナ 俺にしか送ってないよ”
“だってジェノしか条件に合わないもん”
不定期に送られてくる定型文のようなやり取りは何度目だろう
トーク画面を遡れば2ヶ月前にも募集がかけられていて笑ってしまった
“はい、応募します”
“天使募集定員に達しました”
そんなやり取りもいつも通りで笑ってしまう
Aヌナの頼みなら喜んでだけど時々とんでもない内容があるから心の準備はしておかないと
“12月にどんなことを？”
“新しいドラマに出るから演技指導！”
“台本読みの手伝いね”
“ジェノたん 私さ空飛ぶ予定なの”
どんな予定？とは思ったけれどヌナが楽しみで演技の仕事を受けたならいいんだ
“VRでシュミレーションする？”
“一緒に空飛んじゃう？”
そんなやり取りをした数日後
【NCT127 A ドラマ ムービング キャスティング確定】
超大作サスペンス・アクションドラマ、ムービングはヒス役のキャスティングに時間を要していたが、Aの出演が確定したと発表した。
そんな記事を見て僕の姉は凄いなとまた笑ったよ
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作者名：nami | 作成日時：2024年1月21日 20時
