10-16 ページ16
記号
突然呼ばれた名前に驚き後ろを振り返る。
咄嗟に逢沢くんに見えないように背中に手紙を隠す。
『あっ...逢沢くん。びっくりした...。』
逢沢〔こんなところで何してるの？〕
逢沢〔あ〜景山に用がある？〕
『うん...まぁ...そんなところかな。』
逢沢〔僕もカメラを回そうと思ってたから一緒に中に...
『ううんいいの！大事な話してるみたいだし。』
そう言ってサッと手紙をスカートのポケットに入れる。
『じゃあまた明日ね逢沢くん。』
逢沢〔あっうんまた明日〕
私はその場から逃げるように立ち去る。
ポケットから手紙が落ちたことも知らずに...。
下駄箱に着きため息を吐く。
(結局こうなるのか...。)
自分の不甲斐なさに呆れつつ澪奈の下駄箱の位置を確認してポケットに手を入れる。
『あれ...？』
(手紙がない...。)
『えっ...何で...？もしかしてどこかで落とした...？』
何度も確認するがやはり手紙はない。
踵を返し来た道を戻ろうとするがちょうどその時下校時間を知らせるチャイムが校内に響き渡る。
先生「いつまでいるんだ？早く帰りなさい。」
校内を巡回する先生にまで注意されてしまい戻れそうにない。
仕方なく靴を履き替え学校を出る。
(これって神様が直接言いなさいって言ってるのかな...。)
『明日...ちゃんと澪奈に伝えよう。』
“私は澪奈のこと信じてるよ。私にとって澪奈はずっと大切な友達。”
手紙に書いたその言葉を胸に私は歩き出した。
きっと伝えられる。
そう思っていたのに。
その日澪奈は亡くなった。
柊「お前は俺の授業の1日目の夜景山に自分が信じていることを伝えられなかったと言ったな。でも伝えようとした。景山に歩み寄ろうと...。
『でも伝えられなかった！』
柊先生の言葉を遮るように叫んだ。
『何もかも遅かった...。私が臆病だったせいで...。明日があるなんて甘い考えだった...。』
『私は澪奈に何にもしてあげられなかった...！
柊「この手紙を見つけたのは景山本人だ。」
そう言ってガシッと私の手を握る柊先生。
『え...？』
記号
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月乃派(プロフ) - 良かったらパスワード教えてください！ (8月12日 19時) (
レス) id: 67461f2801 (このIDを非表示/違反報告)
なほ - パスワード知りたいです！ (2023年3月20日 9時) (レス) @page20 id: 2f4a7dab68 (このIDを非表示/違反報告)
meme20070219(プロフ) - 卒業編見たいです！！！もし良かったらパスワード教えてください！お願いします！！ (2022年9月22日 0時) (レス) id: d81f7c9186 (このIDを非表示/違反報告)
キョンシー(プロフ) - 卒業式編をみたいです！ よろしければロックを解除していただけませんか？ お願いします。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page21 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - お疲れ様でした。 凄く良かったです！ 番外編も楽しみにしてます！ 頑張って下さいっ！ (2020年5月1日 0時) (レス) id: 0a0c1da75f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結愛 | 作成日時：2020年3月12日 15時
