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迷信ってことくらい、知ってます。(エルナ×アネット。エルナ視点) ページ8

『ねぇねぇ、知ってる?あの子ってさぁ……』

ひそひそとした、小さな声が耳に届く。

『聞いた?また、あの子の事故に巻き込まれた子がいるんだって……』

ごめんなさい。知ってる。分かってる。

『ほんと、不気味だよねぇ……あの子』

分かってるの。一人だけで助かってしまった、エルナが悪いの。

パパもママも、お兄ちゃんも、お姉ちゃんも、エルナの命と引き換えに居なくなってしまった。

だから、エルナは、罰を受け続けるべきなの。ずっと、ずっと…………



「………………っ」

エルナは、荒く息を吐き出し目を覚ました。

頭には、ぐるぐるとした気持ち悪さが残っている。

「……夢……」

呟いて、小さく安堵する。

養成学校時代の、忌まわしい記憶を夢に見てしまっていたようだ。

夢で、良かった。

「エルナちゃんっ」

唐突に、隣から声をかけられる。ベッド脇に、灰桃髪の少女が椅子を置き座っていた。

「……あ、アネット?」

熱に当てられぼうっとした頭を振り払い、エルナは彼女の名前を呼んだ。

アネットは、取り替えますっ、という掛け声と共にエルナの額からぺりっと冷えピタを剥がす。

「俺様、看病をしに来てやりましたっ」

「エルナちゃん、何だかうなされてるみたいでしたからっ」と、懐から新しい冷えピタを取り出している。

ぼんやりとその光景を眺めていたエルナは、はっと気が付いた。

「い、良いのっ。お前に借りは作りたくないのっ」

当然のようにエルナの世話を焼いてみせるアネットが、何だか大人っぽく見えてしまう。

それが少しばかり、悔しかった。

「強がりはいけませんっ。今のエルナちゃんは風邪をこじらせてるんですから、大人しくしててくださいっ」

「むぅっ…………」

頬を膨らませる。言い返せなかった。

そんなエルナにアネットは、何かに気が付いたように手を打った。

迷信ってことくらい、知ってます。 続き→←意味なんて、(モニカ×ティア。モニカ視点)



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設定タグ:スパイ教室 , 百合 , 二次創作   
作品ジャンル:恋愛
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亜月 - カレンさん» 読みましたよーーー!!!最後!!最後の挿絵、、、、 (2021年12月9日 11時) (レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - pixivから飛んできました!めちゃくちゃ尊いです... ちなみに亜月さん6巻読みました...? (2021年11月24日 21時) (レス) id: aacf8bdcb4 (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - おぉー!ありがとございます、、グレーテ×ティア読んできました! (2021年5月16日 15時) (レス) id: ae5d374ab3 (このIDを非表示/違反報告)
あも - 亜月さん» エルナとクラウス……!!ほんとうにかわいいです、なんかモチベになりました(あ) (2021年5月15日 15時) (レス) id: e2902b121b (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - 遥世さん» あぁぁぁありがとう、、そうなんですよ、ジビアさんイケメンに書けるよう頑張りました! (2021年5月2日 21時) (レス) id: 9200735183 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜月 | 作成日時:2021年3月6日 20時

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