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甘い微熱に指先を結んで 続き3 ページ22

ジビアの事しか考えられなくなる。

舌の動きが強まってきた。

くちゅりと背徳的な水音が鳴って、指先を弄ばれる。

鼓動が耳元でどくどくと音を立てていた。

「っ、んん…、ゃぁっ……」

おおよそ自身の声とは思えない、甘く掠れた声が喉元からとめどなく零れる。

このまま、ぐちゃぐちゃにされてしまいたい。

身体がすっかり熱くなって、くらくらする。

目眩がするくらいに気持ち良い。

口内を意地悪に責められるたびに、首筋にぞくりとした快感が走る。

絡めた指先にぎゅっと力が入った。

舌が更に奥の方まで差し込まれる。

息苦しささえ心地良い。

舌の縁を奥から先までなぞり上げられた瞬間、肩がびくりと跳ね上がった。

背を情欲的な熱が伝って堕ちていく。

唇が離れた。

唾液が二人の唇を繋ぐように伸びて、やがてぷつんと切れる。

ぼんやりととろけた顔を向け合って、二人して笑った。

そんな時間が優し過ぎて、温か過ぎて。

自分には過ぎた幸せだと思っていた想像が、大好きなひとの手によって叶えられていく。

今も独りだったら冷めきっていたはずの景色が、ずっと鮮やかに映される。

たまらなく幸せで、いつか失ってしまうことがたまらなく怖い時間。

「ねぇ、キミはさ」

不意に、ずっと閉じ込めていた不安が口をついて出た。

「どうして、受け入れてくれるの?」

そう問うと、ジビアは何かを考え込むように目を伏せて、やがて顔を上げた。

「お前の事が好きだから一緒にいるし、好きだって言うし、時には抱く。それだけじゃダメか?」

その言葉に、ひっかかっていた物が崩れ落ちたように息が詰まって。

ぎゅぅっと何かが締め付けられるような感覚がして、ぽろぽろと涙が零れる。

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設定タグ:スパイ教室 , 百合 , 二次創作   
作品ジャンル:恋愛
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亜月 - カレンさん» 読みましたよーーー!!!最後!!最後の挿絵、、、、 (2021年12月9日 11時) (レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - pixivから飛んできました!めちゃくちゃ尊いです... ちなみに亜月さん6巻読みました...? (2021年11月24日 21時) (レス) id: aacf8bdcb4 (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - おぉー!ありがとございます、、グレーテ×ティア読んできました! (2021年5月16日 15時) (レス) id: ae5d374ab3 (このIDを非表示/違反報告)
あも - 亜月さん» エルナとクラウス……!!ほんとうにかわいいです、なんかモチベになりました(あ) (2021年5月15日 15時) (レス) id: e2902b121b (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - 遥世さん» あぁぁぁありがとう、、そうなんですよ、ジビアさんイケメンに書けるよう頑張りました! (2021年5月2日 21時) (レス) id: 9200735183 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:亜月 | 作成日時:2021年3月6日 20時

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