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廉side
収録が終わり、二人でテレビ局を出る。
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紫耀「廉ももうお酒飲めんのか」
向かい合って座り、オレがお酒のメニューを掴んだとき、紫耀が独り言のように呟く。
廉「もう二十歳だし。二人で飯食うの久しぶりだね」
お互いに二人の距離を確認し合うと、やはり気まずい空気が流れる。
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廉「紫耀は今度もドラマ決まったしな」
運ばれてきたビールを飲んで、ようやく絞り出した言葉は彼を妬むような、不甲斐ない言葉だった。
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紫耀「でもネットで叩かれるし。オレはやっぱりまだまだなんだよ」
ぽろっと溢れた紫耀の本音。
廉「たくさんの人に見てもらってるってことでしょ。それはやっぱり紫耀は実力があるじゃん」
紫耀「そんなことないよ」
紫耀は、少しおバカで、目の前の状況を振り返らない。
それは紫耀の良さであり、嫌な部分であると勝手に決めつけていた。
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紫耀「オレは、すごいわけじゃないんだよ」
ビールを飲んですぐに顔が赤くなる。
紫耀はお酒が弱かったのか。
オレは大学に行くと決めたけど、その分ずっとオレよりも活躍している紫耀を見るのが嫌なだけだった。
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そんなことで、紫耀を嫌になりそうで怖かった。
でもオレは紫耀のことをやっぱりすごいと思っていた。
まっすぐで、目の前のことに全力で、凹みながらも間違えながらも何度も立ち向かっていた。
そばで見ていたのはオレだ。
誰よりも紫耀のことを見ていて、誰よりもわかって苦しみを分け合えたのはオレだった。
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廉「紫耀。ごめん」
紫耀の苦しそうな顔を見て、胸が痛い。
廉「オレずっと紫耀が羨ましかった。一緒に上京してスタートは同じなのにオレよりずっと活躍してて」
紫耀「廉…」
彼女もこんな気持ちだったのだろう。
胸につっかえていたもどかしさを取り除くのは容易じゃないし、言葉にするのに勇気が必要だ。
廉「だから紫耀のこと避けてた。でもそれじゃダメだ。オレは紫耀の仲間や。嫉妬もするかもしれないし、羨ましいし悔しいって思うかもしれない。だけど誰よりもオレのことをわかってほしいって思うし、紫耀のことをわかりたいって思うんだよ」
お酒が回ってきたのか、目頭が熱くなる。
紫耀もぎゅっと唇に力を入れる。
お酒と彼女の言葉がなければ、
きっと気づきも言えもしなかったオレの気持ち。
ようやく言葉になり、
お酒の力を借りて涙になった。
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ジェンガ(プロフ) - 岩瀬紫耀さん» ありがとうございます！気づくのが大変遅くなりごめんなさい…なるべく早く次の話をあげられるように頑張ります！ (2018年7月29日 14時) (
レス) id: 3ce0492d1e (このIDを非表示/違反報告)
岩瀬紫耀(プロフ) - この作品すきです！ 続きがきになります がんばってください (2018年4月26日 6時) (レス) id: bb863aa5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジェンガ | 作成日時：2017年11月11日 22時
