及川 徹 ページ34
私の従兄弟は青城の人気者です。
「キャー!及川さん!」
「おはようございます!」
「おはよう。今日も元気だね」
登校早々、女子の囲まれているのは3年の及川徹。
徹君は私の従兄弟で私の好きな人。
あんなに人気で女子にも囲まれて…彼女がいてもおかしくない。
だから私は見ているだけでいいと昔から思っていた。
「A。大丈夫か?」
「おはようございます、岩泉さん。いつものことですから…」
徹君よりも幼馴染の岩泉さんとの会話のほうが多いような気がする。
岩泉さんは私が徹君のことを好きだって知っているから気にかけてくれる。
教室まで送ってくれる岩泉さんの優しさは嬉しい。
だけどやっぱり徹君のことが好きで岩泉さんは恋愛対象としてみることはなかった。
ピコン🎵
席について授業の準備をしているとスマホがなった。
徹君からのLIMEだった。
»今日一緒に帰れる?
»うん
たった1行だけでも連絡をしてくれることが嬉しくて仕方なかった。
早く放課後にならないかな、と浮かれていた。
キーンコーンカーンコーン
「気を付けて帰れよー」
「「「「さようなら」」」」
急ぎ足で昇降口に向かうと制服姿の徹君が居た。
珍しく女の子に囲まれていなかった。
「じゃあ行こっか。女の子達が来る前に」
そう言って自然と握った手。
ぶわっと体温が上がるような気がした。
だけどその行為は異性としてではなく従兄弟として大事にしてくれているだけだ。
特別なわけじゃない。
そう思うと何だか一生届くことのない人に思えてきて…。
「徹君、ごめん」
手を振り払い、私は走り出した。
突然のことに瞬時に状況が呑み込めていないようだった。
私は家に帰らず適当な道を走った。
結構な距離を走ったせいで肩で息をするほど苦しくなっていた。
やっぱり、追いかけてこないよね…。
「…好きなんだよ…徹君」
「俺がなんだって?」
ふわりと後ろから誰かに抱きしめられた。
その声は聞き慣れた大好きな声だった。
「と、徹君?」
「びっくりしたよ?急に走り出すんだもん。見つけたら泣いてるし」
ふと頬に手をもっていくと確かに涙が流れていた。
気づかないうちに泣いてたんだ。
「俺のこと、好きなの?」
「うん…だから見てるだけにしようって決めたの」
「わかった。もう我慢しないで?だから」
「――俺のものになって」
297人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
塩キャラメル(□‐□)なのだよ - 鈴音さん» ありがとうございます!ですよね...。私だったら悩みに悩んで飛雄ちゃんですかね(^o^;) (2016年1月2日 15時) (レス) id: 930d503b85 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(□‐□)なのだよ - アクアクォーツさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2016年1月2日 15時) (レス) id: 930d503b85 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ツッキーと影山…究極の選択だ…… (2016年1月1日 17時) (レス) id: 98fd0d849e (このIDを非表示/違反報告)
アクアクォーツ - 塩キャラメル(□‐□)なのだよさん» おもしろいです、がんばてください! (2016年1月1日 13時) (レス) id: a6ab99852b (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(□‐□)なのだよ - サマレコさん» ありがとうございます!!まさかの☆10!?本当に感謝です( *´艸`)頑張ります! (2015年12月17日 20時) (レス) id: 0c3b55a79c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:塩キャラメル(□‐□)なのだよ | 作成日時:2015年10月3日 22時