16歳の角名くんと22歳の角名さん

第弍拾弍話 ページ22

「2018年の玲奈が？」

「そうなんですよ」



私は落ち着いて言語を取り戻し



角名さんに状況を説明した



まるで意味がわからないといった顔だ



「まさかー」



「ホントですって！！

私片山玲奈だってこと名乗ってないですし！

セッターとしか言ってないですし！

稲荷崎だとも春高優勝とも
もちろん黒鷲旗出るとも言ってませんし！！


そして！角名さんってのが！決定打でしょ！！」



でも角名さんはう〜んと言って



「それフツーに稲荷崎のOBじゃない？

角名さんってこっちの俺のことかもしれない」


「えぇ…」


確かに…OBだったら



「もしかして…

角名くんのお姉さんとか？」


「馬鹿か
俺は姉ちゃんいないし、
そもそも自分の弟、名字でさん付けはありえない」


「そっかー


えぇじゃあ何〜…」




角名さんによろしくね



角名さん



さんってのがなぁ…



「彼女とかですかね…」

「いや、ないな」

「なんでですか」


「俺年上の彼女作ったことないし
年上好きになったことない

俺は同い年が好み」


…じゃあ角名くんは同じ学年の子が好きなんだ



「…角名さんって今まで何人と付き合ったことありますか」


ふと口に出してた



気づいて「あっ」と思ったが

もう遅いことだった



「1人だけ」


キッパリそう言った



「そうですか」




そっかそっか


やっぱりね




「今も付き合ってるんですか」

「うん、バッチリ」


ニヤっと笑ってそういう角名さん



「誰なんです？」


そう聞くと角名さんは謎に吹き出した



「え、なんで」

「いやwwwwなんかwwwww」



めっちゃわろてるやん



しばらく笑っていた角名さんは

一息つくと



「教えない」



また妖艶な笑みでそう言い放った

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