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「・・・え?」
店の中に入ると、新刊コーナーはたくさんの女子たちでごった返していた。
同じ制服、見たことのある後ろ姿。ここでも盛り上がるのか。
こういうところでは静かにして欲しいが、それよりもお目当ての本のところに辿り着けない。
・・・仕方ない。別の場所に行こうか。
家からの最寄りは恐らくないと思う。そうすると、県外に出るしかない。
近くの本屋を探し、県外の大きな駅へ電車で移動した。
県外へ出るのは久しぶりだった。
地図を調べると駅中にあるらしい。
人混みの中を無心に歩いていると、スイーツ店やファストフード店の先に大きな書店があるのが見えた。
早速新刊コーナーを探し、彼女の名前を探す。
「・・あ」
真っ白な本に、『卒業』というタイトルが大きく書かれていた。
この時期に卒業か。何を表しているのか、この時点で少し楽しみだった。
本を手にとり、レジへ向かおうとした。
「え、まじであんじゃん」
「おぉー、すげー」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「涼、買わないの??」
「え?もらったわ!2冊もいらねーよw・・あ、俊平持ってなかったらあげようか??」
「いや、あんま本とか読まないし」
こんなところで会うなんて。本当にいつも一緒にいるんだな・・。
特に話すこともないし、と、その場を後にしようとした時だった。
「・・うわっ」
後ろから走ってきた小さな男の子とぶつかった。
・・・正しくは、男の子が持っていた本だった。
「あー!!」
「ご、ごめんなさい!大丈夫?」
男の子は落とした本を拾うと、私の声を無視して走り去っていってしまった。
「・・・北川さん?」
あの子に怪我がなかったのは良かったが、私の存在がばれる結果となった。
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MIMU(プロフ) - ぜんさん» ありがとうございます!頻度は少ないかもしれませんがこっそり更新していきます、、よろしくお願いします! (2019年10月6日 12時) (レス) id: c9abf7bb83 (このIDを非表示/違反報告)
ぜん - めっちゃ面白いです…!どこかの恋愛小説より面白いです!続きが楽しみです。これからも頑張って下さい! (2019年9月29日 9時) (レス) id: 94ed2a9255 (このIDを非表示/違反報告)
MIMU(プロフ) - あっちゃんさんさん» コメントありがとうございます!本出してみたいですね・・読んでいただけて嬉しいです! (2019年8月22日 10時) (レス) id: cd16da8080 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃんさん(プロフ) - 久々に小説らしい小説を読んだ気がする……ガチで本出してそう。ちょー好みだわ。 (2019年8月19日 23時) (レス) id: 9c25d881f6 (このIDを非表示/違反報告)
MIMU(プロフ) - たぴおかさん» あ、あ、ありがとうございます!!頻度は高くないですが頑張ります!! (2019年8月13日 16時) (レス) id: c9abf7bb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIMU | 作成日時:2019年7月30日 18時