夕焼けの頃に［M.S］

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Aside



「あ、坂本さん来たよ」


健さんが先に気づいて教えてくれた。

ガラスのドアを遠慮がちに開けている彼。


「いらっしゃい。入りなよ」

健さんが手招きし、
「すみません」と断って入ってきた。


「本当にご迷惑お掛けしてすみません」

と謝るまぁくんに、


「いいのいいの。俺がお節介しただけだから。
赤ちゃん抱っこさせてもらって、俺らも楽しかったよね？」


そう言って健さんは、剛さんの方を向いた。


「俺はやっぱ苦手かなー」


そんな言葉とは裏腹に
剛さんは娘の頭をそっと撫でた。


「でもホントAさん似で良かったよね」

剛さんはチラリとまぁくんを見て様子をうかがいながら、笑って言った。


まぁくんも剛さんの発言に笑って「そうでしょう？」と言う。




「剛さん、健さん。本当にすみません……ありがとうございました」



「また来てね。今度はAちゃんのこと可愛くしたいから」


健さんはいつも通りのアイドルみたいな笑顔で言った。


「ぜひお願いします」



2人に見送られて、
私たちは家路についた。

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