夕焼けの頃に［M.S］

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Aside


ミルクを飲ませてから、

剛さんたちが
代わる代わる抱っこしてくれているうち、

娘はすやすやと眠りについた。



「Aさんも寝ていいよ」

健さんが声をひそめて言った。


「そういう訳には……お2人のお仕事の邪魔してるのはこちらですし、そろそろ……」


「心配しないで、今日は仕事じゃないよ。俺の私用で剛呼び出してて……」


「そしたらコイツ、寝坊したとか言うの。帰ってやろうかと思ったけど、丁度サロンの近くまで来てたし、ここで寝て待ってようかなって」


笑いながら言う剛さんは、
健さんの腕を小突いている。





「そうだ。一応、旦那さんに連絡してあげたら？」

健さんに言われて、
先程まで忘れていた事実を思い出し、ハッとした。


「それが……私、スマホを家に忘れてきたみたいです」


「Aちゃんって、そんなおっちょこちょいな人だったのー！？ かわいい！」


大きな声を出してたことに気づき、
健さんは自分の口を塞いで


「えーっと坂本さん……坂本さん……あった！ メッセージ送っとくね」


そう、小声で言った。


「もしかしたら寝てるかもしれないです。昨日も夜勤だったので……」

まぁくん、今頃どうしてるだろうか。

本当にそうだったら、
ちょっとショックかも。

なんて自分勝手だけど。



「そんなことない。すぐ来るよ」


健さんはトーク画面を私に見せてはにかんだ。

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