きみと、 (ページ10)

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＊10＊一歩踏み込んでページ10

「大切だから言えない。でもずっとそのままではいられない。大切だからこそ一歩踏み込んで言わなくてはいけないということもあるのではないでしょうか。お嬢さんが相手の方のことを大切に思っているならなおのこと、」

『大切に思っているなら...』

久「そうだよ、A！数君にAの言葉でちゃんと伝えないと！」

『数に...』

「一緒にいる時間が長ければ長いほど、言葉にして伝えるということはなかなかできなくなっていくものです。伝えなくてもきっと伝わっている、わかってくれるというのはある意味こちらがいいように考えているだけなのかもしれませんね」

『そうですよね…一緒にいる時間が長いほど、付き合い始めた時より言葉にして伝える機会は全然なかったかも…』

久「なかなか難しいもんじゃね、、伝えるって」

「きっと大丈夫ですよ。伝えようという思いがあれば、上手く言えなかったしても相手に届くものです」

『ありがとうございます。ちょっと気持ちがスッとしました(笑)』

久「さっきよりいい顔してる(笑)」

『うふふ♡』

「こんなじじいの戯言につき合っていただき、ありがとうございました」

『いえ！こちらこそありがとうございました！おけげでなんだかスッキリしました！ここにこれて本当によかったです！』

久「うちもです！」

「それはありがとうございます。こんなところでよろしかったらいつでもお待ちしております」

『うち、、数と一回ちゃんと話してみる！』

久「A、、」

『もし、、いい結果じゃなかったらその時はヨロシクね(笑)」

久「きっと大丈夫じゃよ！よし！そうと決まったら早速行こう！」

『え？！ちょっと久美！』

久「今日中に言わなくちゃいけないことあるでしょう?」

『...うん。そうだよね、今から数に会いに行ってくる！』

久「がんばれ！A！」

『ごちそうさまでした！また来てもいいですか??』

「はい。喜んで」

久「あ！お会計お願いします！」

「いえ、結構です」

『え？ても…』

「こんなじじいの戯言につき合っていただいたことですし」

久「でもそれじゃあ…」

「そのかわりといってはなんですが、またのご来店をお待ちしております。またじじいの戯言につきあわせてしまうかもしれませんが」

『「ありがとうございます！絶対また来ます！」』

――――ｼｬﾗｼｬﾗ

「ありがとうございました」

「ちゃんとお相手に伝わるといいですね」