愛され男子Hokuto.M

一歩を踏み出せ ページ47

優吾Side









昨日、夕方になっていきなり、俺の携帯に大我からの連絡が来た。









きっと本人なりにすごく悩んだのちの決断だったのだろう。









＜本当のことを教えてほしい＞









それは、俺が、今まで聞いた大我の声で、一番悲痛なものだった。









確かにそりゃそうだ。









今まで、大事な決定事項を決めるのは、俺と樹だった。









そこに高校生になった北斗も加わって。









でも、上から二番目の大我がその話し合いに参加したのは、両親が死んだ後、どうしていくか話し合ったあのたった一回だけだった。









でも俺が大我を参加させたくないのにはちゃんとそれなりの理由があった。









大我は、自分の頭の中で整理できないことや、家族に何かあった時、決まって必ず病気の発作を起こす。









もう、俺らがイメージしているような、義務教育時代の、弱い大我じゃないことはよく理解している。









それでも、苦しむところは見たくない。









それが大我を除く兄弟全員の総意であることも。









結局怖くて、現実から目を逸らしたかっただけだ。









だから俺は決めた。









大我に本当のことを伝える決意をした。









そして、ついに、全部話してしまった。









で、しばらく沈黙が続いて。









大我が考えた結果が…









＜北斗のそばにいたい＞









だった。









そして、今日にいたる。









抗癌剤治療の始まった、北斗の体調は決して良くはない。









でも今の大我ならきっと大丈夫。









これは大我が一歩を踏み出すための大事なステップだ…

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