自由になりたいと思うのはいけないことですか？ (ページ10)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:1,766 hit

108頁ページ10

いつも通りの朝だった。

夏の日差し睨みながら正門をくぐると
制服を着た生徒達が中等部、高等部
それぞれの校舎へ向けて足を進める。

私もそのうちの1人で。

教室の扉を開ける。

光「おい！せが、わ……お前、それ」

「朝から元気だね源くん」

光「おう、じゃなくて、お前それ！
制服どうしたんだよ！」

「制服？いつも通りだけど？？」

目を見開いて私を指差す源くんを怪訝に思いながら
視線を自身の体に向ける

「…え、なんで？」

白いワイシャツにグレーのワンピース、
薄水色のカーディガンではなく
かもめ学園中等部の制服。

(ｯｯなんで…っ)

思わず腕を抱いてうずくまる

(なんで、、)
朝は確かにいつもの制服だった。
長袖に手を通したのを覚えてる。

光「おい、瀬川！」

源くんが私の名前を呼ぶのが聞こえる
教室もざわつき始めてる

(どうしよ、傷、みられる、、
どうしよ、どうしよ、どうしよ…っっ)

土「はい、皆さんおはようござい光「蜘蛛野郎！」…
源くん？朝から元気なのはいいk 光「瀬川が！」
あァ？…！おい、瀬川お前それ…！」

遠のく意識にぼんやりと先生の声が聞こえた
ふわりと先生の香りがかぶさる

(はくい…)

私の状況を察してかけてくれたであろう白衣を
きゅっと掴むとふわりと体が浮く感覚がする

土「おい源、一限は自習って言っとけ
相園、自習用のプリント配っといてくれ」

「せんせ…」

土「とりあえず保健室だ、ちょっと寝とけ」

ざわつく教室を後に私は意識を手放した。