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「それでね、おばーちゃんがね」

屋台の脇にあるベンチに座り、楽しそうに話すむすぶ

土「よそ見してるとこぼすぞ」

かき氷を片手にはしゃぐむすぶは
俺の言うことなんてお構いなしで話し続ける

土「むすぶ、ばぁちゃん探してるんじゃねェのか?」

俺の言葉にピタリと手が止まる

「ねぇ、おにーちゃん。
おにーちゃんはおねがいごとある??」

手元を見るとどこから出したのか短冊を遊ばせていた

土「あ?…ねがいごとか…むすぶは
何お願いするんだ?」

「んっとね、
おばーちゃんとずーっといっしょにいれますよーに、
あと、おともだちがいっぱいてきますよーに」

あとね、、と指を折り、願い事を考えている

土「そうか。叶うといいな」

「うん!」

土「…さて、それ食い終わったら、
ばぁちゃん探しに行くか」

ぽんと頭に手を乗せると
目を細めるむすぶは小さく頷く


ヒュルルル

「あ!おにーちゃん、はなび!!」

屋台の灯りを大きな光が包み込む
大きな音と共に夜空に咲く花に目を向ける

土「…綺麗だな…」

「そっちのほうがいいよ!」

土「ん?」

「おにーちゃん、こわいかおしてたけど
そっちのほうがいいよ!!」


“「先生もそっちの方がいいって話です」”

土「…」

「…ちゃん…おにーちゃん!!」

土「あ、わりィ…」

「だいじょうぶ?おなかいたい?」

一瞬、目の前の少女が瀬川と重なった。

土(恐らくコイツは…)



?「むすぶちゃん!!」

「あ、おばーちゃん!」

小さく腰の曲がった影がむすぶに手を伸ばす

祖「もー!おばーちゃんじゃないでしょう!
心配したんだから!……っ…あ」

土「どうも…」

祖「あらあら!すみません!
この子ご迷惑おかけしませんでしたか?」

土「いえ、大丈夫でしたよ
じャあな、むすぶ。もうばぁちゃんの手離すなよ」

「おにーちゃん!またね!」

大きく手を振るむすぶに軽く手を振り
背を向けて歩き出す

土「またね…なァ…」

もう少し大きくなれば
また会えると、そういえばむすぶは
どんな反応をするだろうか…。

土「さて…どうやって帰るかねェ…」

キョロキョロとあたりを見渡しながら歩くと
視界の端に見覚えのある影が入ってくる

土「しかたねェか…」

身を乗り出し、牛車の衝撃に構えて目を瞑った


“おばーちゃんとずっといっしょにいれますように
おともだちがいっぱいできますよーに
おにーちゃんとまたあえますよーに”

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設定タグ:地縛少年花子くん , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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あまね(プロフ) - なんかもうあいしてる (5月22日 17時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほまれ | 作成日時:2022年1月19日 23時

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