自由になりたいと思うのはいけないことですか？ (ページ14)

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ホームルームも終わり、
クラスメート達が教室から出ていく
けれど、私はなかなか席から立てなかった

席から動こうとしない私とおばぁちゃん、いや、
相園先生の目が合う

気がつけば教室には私と相園先生と土籠先生の
3人だけが残った

「…あの、あi」

相「土籠先生、確か今日は職員会議があったのでは？
ここの戸締まりは確認しておきますので
どうぞ、行ってください」

土「あ、そうでした。
すみません、それではお願いします。
では、瀬川さんさようなら」

先生はいつもの人間verの時の笑顔を貼り付けて
教室を出て行った。

話しかけるタイミングを失った私は
何も言えず、静寂が教室を包み込む。

長い沈黙を破ったのは相園先生だった。

相「Aちゃん、帰らないの？」

「おばぁちゃん、なんでしょ？」

小さい頃からおばあちゃんと暮らしてるとは言え
苗字は変わっていないから、すぐには気づかなかった。
物心ついた時からくぐり続けてきた家の門。
表札に掲げられていた名前は【相園】だった。

相「そうよ、びっくりした？」

「どうして？だっておばぁちゃんは…し、んじゃっ、て
それに、先生だったなんて、きいたことないし、」

相「ごめんね
でも、これはAちゃんの為なのよ」

「わたしの…？」

相「そう、それにもしかしたらここが本当の世界で
今までAちゃんが見てた世界が
偽物かもしれないでしょ？」

「なに、言って…」

ここが本当の世界？
そんなわけ、、でも、、
でも、もし本当にこっちの世界が本物なら、、。
ミツバ君も生きてる、おばぁちゃんも生きてる
源くんとも先生とも今まで通りで
毎日が楽しいと思えるこの日々が、本物の世界、、。

相「Aちゃんなら、分かってくれると思った…
今まで沢山悪い夢でも見たのね…」

「ゆめ…」

立ち尽くす私にそっと手を伸ばすおばぁちゃんの
胸を押し返す

相「Aちゃん？」

「…ちがう
本物の世界は苦しくて、沢山嫌なことがあって
人を信じることが怖くて、、、
それでも！ここに来て、誰かの暖かさを知ったの！！
だから、ちがう。おばぁちゃんは先生じゃなくて
しんじゃって、でもわたしの事心配して戻ってきてくれた
おばぁちゃんが本物なの、、！だから、だから、、
ごめんね、おばぁちゃんっ」

相「Aちゃん！ｯｯ待って！」

呼び止めるおばぁちゃんの声に振り返る事なく
教室を飛び出した。

(放課後…花子くんの所…)

源君も花子君の所へ向かっているのだろうか