自由になりたいと思うのはいけないことですか？ (ページ11)

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目を覚ます
意識を失う少し前を思い出そうとするも
靄がかかってしまってよく思い出せない

土「目、覚めたか？」

入るぞと一声かけてカーテンを開ける先生

「先生…私…」

ゆっくりと体を起こすと
いつもと違うような感覚がして手元に目を向ける

「白衣…」

思い出した。

朝、いつも通りの制服に袖を通し登校してきたはずが
何故かかもめ学園の制服を身に纏っていたことに
源くんが声をかけてきてパニックを起こしてしまったのだ

土「それ、覚えてねェのか？」

先生が“それ”というのは、おそらく制服のこと

小さく頷く

「朝…確かにいつもの制服を着たはず…なんです」

どうして…
理由も何もわからない。
けれど、私にとって制服がいつものものでないことというか
長袖でないことは大問題なのだ

土「…とりあえず、今日は一日それ着とけ」

落ち着いたら教室に戻ってこい

そう言うと先生は保健室から去ってしまった

私が倒れてからどれ程の時間が経ったのだろうか
定期的に鳴るチャイムを聞き流しながら天井を見上げる。

気分はだいぶと落ち着いてきたが
教室に行く気にはなれなかった。

(それに、白衣なんて着て1日は過ごせないしなぁ)

ごろんと寝返りを打つと、保健室の扉が開く音がした。

光「瀬川、入っていいか？」

「源くん…？」

私が答えると遠慮気味にシャァっとカーテンをが開く

光「大丈夫か…？」

「えぇ、なんとか。今朝はごめんね。」

源くんからしたら、普通に服装がいつもと違うから
声をかけただけだろうに、驚かせてしまった

光「いや、いい。
それより、落ち着いて聞いてほしいだけど…」