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暫く放心状態だった
少し前から司君に抱いていた違和感の正体が
ようやくわかった気がする
彼の発する言葉は無茶苦茶で
常人が言葉にする様なものではないのに
表情は無邪気に話す子供と何ら変わらなかった
光「三葉 おいっ三葉！！」
同じく暫く放心状態だった花子くんを
呼び戻したのは源君だった
光「花子...なあコイツ戻せるよな...？
ミサキ階段とかみたいに元に...」
花子くんの顔が強ばる
「まさか...」
嫌な空気を振り切るように
源君は笑顔でミツバ君に話しかける
けれど、徐々に声は震えていき
ミツバ君の頬に大粒の雫がひとつ
またひとつとこぼれ落ちていく
花「無駄だよ 少年
死は「お終い」なんだ
霊体になって此岸を彷徨ったって
それは生の続きじゃない
死んでしまったらそこが終わりで
それ以上は何もなくてもう何もはじまらない
どんなに悔やんで願ったところで
生きている時できなかったことは
死んでしまった後にもできないのさ
そういう世界の仕組みに抗うと
こんな風になってしまう
...君なら彼の未練を...この此岸への執着を
断ち切ってあげられるかと思ったけど
逆効果だったみたいだね
ダメだよあまり死者に優しくしたら
だって俺達には...
もう未来なんてないんだから」
静かに降ろされた包丁とともに
ガラスの欠片が砕け散る
ほんの僅かに見えたものは
きっとミツバ君にとって大切な記憶だったのだろう
目の前に残ったものは彼のカメラだけだった
呆然とする源君に背を向け歩き出す花子くん
光「...ったはずだ
もっ もっとっ...なんかあったハズだ…
できること…してやれたこと...
オレがもっと輝兄みたいに強かったら
こんなことになってねーんだ...！」
花「少年が気にすることないよ
死者にとっての救いはきっと消滅だけなんだから
これで良かったんだ」
光「良くねえ 全然良くねぇよ！！
それにっ...消えるのだけが救いだとかっ
そんなこと言うな！！！
オレは三葉をあんなにしたアイツのこと
ぜってぇ許さねー...！！」
花「…そう」
祖「あら、綺麗なお花ねどうしたの？」
「学校で貰ったの沢山咲いたからどうぞって」
おばぁちゃんは嬉しそうに花に触れる
といっても本当に触れられる訳ではないけれど
「ねぇ、おばぁちゃんが幽霊になったのって
私が弱かったから？
おばぁちゃんの未練ってなに...？」
サァっと生暖かい風が吹く
祖「ん？なぁに？」
「ううんなんでもない
私もう寝るねおやすみ」
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ほまれ(プロフ) - 丸メガネっ子さん» はじめまして！コメントありがとうございます更新頻度はまちまちで安定してませんが少しずつ更新していきます！ (2020年7月12日 10時) (
レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネっ子(プロフ) - はじめまして、こんにちは。これからも応援しておりますので投稿頑張ってください。 (2020年7月12日 9時) (レス) id: ee13b7513b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほまれ | 作成日時：2020年7月8日 9時
