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カガミジゴクの一件から早四日
境界から強制送還された次の日に
源くんはミツバくんについて話してくれた

2年前、まだミツバくんが生きていた頃
同じクラスだったらしい

そんな友達との別れを3度も経験した源くんに
かける言葉も見つからない私は放課後を告げるチャイムが
鳴ると足速に教室を出た

正直、カガミジゴクの大鏡の言葉が耳から離れず
花子くんや寧々先輩とも顔を合わせづらいのだ

(あの時は身に危険が迫りすぎて気が回らなかったけど
土籠先生も…)

考えれば考えるほど出てくるのはため息ばかりである

特に先生に関しては16時の書庫や面談での一件で
信頼度(のようなもの)も深まってきたというのに

(アレが本心だったら…)

なんて考えてしまう自分が嫌になってくる

今日、何度目かもわからないため息をついて
渡り廊下に差し掛かると背後から私の名前を呼ぶ声が
聞こえた


佐「あ、いたいた」
横「瀬川さん!」

「佐藤君と横尾君?」

振り返るとクラスメイトの佐藤君と横尾君だった

「どうしたの?珍しいね」

佐「いや、なんか先生がさー呼んでこいって」

「先生?」

横「土籠先生が話があるから準備にって」

「へ?」

佐「じゃあなー」 横「俺らちゃんと伝えたからな!」



困惑する私を通り越す2人はあっという間に
見えなくなってしまった






小さく息を吐いて扉を叩くと
「どうぞー」と優しそうな声が聞こえる
遠慮気味に扉を開くと気怠そうな先生がいた

土「お、捕まったか」

「…はい、捕まりましたけど…話ってなんですか…?」

俯きがちに話す私にやや大袈裟なため息が聞こえる

土「…ちょっとそこ座れ」

私は言われるがまま、先生が指さす
サブデスクの椅子に腰を下ろした

誰も喋らない準備室に食器のぶつかる音だけがこだまする

土「ほらよ」

「…ありがとうございます…」

机に置かれたコーヒーから湯気が立ち上る

土「で、何があったんだよ」

「…は?何がって何ですか…?」

私は佐藤君と横尾君から先生が話したいことがあるから呼んでいると言われ、わざわざ新校舎まで戻ってきたのだ

(質問の意図がわからない…)

土「お前だよ、少し前まで鬱陶しいほど
ここに入り浸ってたくせに、
近頃のお前はあからさまに様子が違ェ…
カガミジゴクから帰ってきてあたりか…」

「べ、つに…なんにもないですけど…」

静かな準備室に賑やかな声が聞こえてくる
部活動でも始まったのだろう

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設定タグ:地縛少年花子くん , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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ほまれ(プロフ) - 丸メガネっ子さん» はじめまして!コメントありがとうございます更新頻度はまちまちで安定してませんが少しずつ更新していきます! (2020年7月12日 10時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネっ子(プロフ) - はじめまして、こんにちは。これからも応援しておりますので投稿頑張ってください。 (2020年7月12日 9時) (レス) id: ee13b7513b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほまれ | 作成日時:2020年7月8日 9時

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