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「ただいま。」
誰もいない、真っ暗な家にそう告げる。
靴を脱ぎ、制服のまま茶の間へいくと
月明かりに照らされて
その人はそこにいた。

「ただいま。おばぁちゃん」

祖「あら、Aちゃん。おかえり。」
遅かったのね。と立ち上がる。

そう、私は祖母と2人で暮らしている。
半年前に亡くなった祖母と、2人で。
だから、あの時、花子くんと初めて会った日は
特に驚くことは無かった。
まぁ、理由はまだあるのだけれど、、。

「おばぁちゃんが、かもめ学園を薦めた理由
なんとなく、分かったかもしれないの。」

祖「あら、じゃあもう会えたのね?」

こくん。と頷く。

新年度が始まり1ヶ月しか経っていないこの時期に
転校してきた私にはそれなりの理由があった。
そして、そんな私を見兼ねたおばぁちゃんが
何十年も前に通っていた母校、
かもめ学園への転校を薦めてくれたのだ。

祖「いい子だったでしょ?」
おばぁちゃんはどこか懐かしそうに目を細めた。

「いい子かどうかはまだ分からないけど、
幽霊のくせに友達作ろうとしてきたり、
クラスメートにもすっごく世話焼きな子がいて
なんだか戸惑っちゃった。」
こんな風に学校の話をしたのはいつぶりだろうか
おばぁちゃんは嬉しそうに話を聞いてくれた。

祖「そう。Aちゃんが楽しそうで
安心したわ。」

「別に、楽しくなんてないよ。
それに、まだ私は、、、」
そこまで言いかけて辞めた。
おばぁちゃんが悲しそうな顔をしている事に
気づいたから。

「、私、疲れちゃったし、お風呂入ってくるね。」
眠たいからご飯もいいや、、。
そう言って自室へと向かった。

楽しくない訳じゃない。
寧ろ、心地よいとすら思ってしまう
瞬間があるぐらいの時だってあった。
それでも、どうしても身体が強ばってしまうのだ。

(また、信じてもいいの??)

静かに袖を捲り瞳を閉じた。
諦めてしまえばきっと楽なのに。
分かっていても諦められないのは
彼らのせいなのか、
私が諦めの悪い性格なのか、、。

小さくついた溜息は
ただ、自室を彷徨うだけだった。

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設定タグ:地縛少年花子くん   
作品ジャンル:アニメ
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ほまれ(プロフ) - Rainさん» ...嬉しすぎて泣いちゃいます...。少しずつですが、夢主ちゃんと共に成長していけたらと思っています。これからもよろしくお願いします* (2020年7月4日 0時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
Rain - 好きです!!夢主ちゃん好き………ほまれ様の文才能力分けて欲しいです〜 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 3d2006b17f (このIDを非表示/違反報告)
ほまれ(プロフ) - ミクさん» ありがとうございます*沢山楽しめるように頑張って書き進めて行きますね! (2020年6月28日 21時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
ミク - ほまれさん、頭良い!すごい。 (2020年6月28日 21時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほまれ | 作成日時:2020年6月28日 10時

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