45頁 ページ46
新校舎C館 第二理科準備室
その場の勢いでここまで来てしまったけれど
目的の先生が居るのかは知らない。
(まぁ、居なければ戻ってくるまで待ってればいっか)
とりあえず扉を叩く
(...反応なし...仕方ないか)
ゆっくりと戸を開けてサブデスクの椅子に腰掛け
壁にかけられた時計を見ると
授業終了までまだ20分くらい時間がある。
ふわぁと欠伸をひとつこぼし、机に突っ伏す。
目をつぶると暑さのこもった準備室に
何処かのクラスが体育をしているのか
楽しそうな声が聞こえてくる。
(そう言えば源君になんにも言わずに
出てきてしまったけど、、
許可取ったっていえば大丈夫かな)
突然、衝撃に襲われた。
その衝撃の原因を理解するのはとても容易だった
寝ぼけ眼を擦りながら顔をあげると
プリントの束を丸め、こちらを見下ろす土籠先生
「...もう少し優しく起こしてくださいよ」
土「こんな所で何してんだ授業はどうした」
「色々あったんで抜けてきました
先生こそ授業はいいんですか？」
先生越しに見える時計の針は
さっきから15分しか進んでいない
故にまだ授業は終わっていないはず
土「俺は授業じゃなくて
ちょっと職員室に用事があって出てただけだ
それよか、お前色々あったって何があったんだよ」
先生はポットでお湯を沸かしながら聞いてくる
「大丈夫です
先生が想像してるような事ではないので
ただ、女子って面倒くさいんですよ」
再び机に突っ伏す
土「なんもないなら別にいいが
ここはサボり場所じゃねェんだ
話なら聞いてやるから授業はちゃんと受けろよ」
ことんとカップを机に置いて
メインデスクの椅子をひいてくる
土「...で、何があった」
「別に何にもないですよ」
土「何もなかったらここには来ねェだろ」
「...あ、」 土「なんだ」
「家庭科室使いたいんですけど...」 土「は？」
脈絡も突拍子もない私の申し出に目を丸くする先生
私は事のあらましを先生に話す
「てことで家庭科室を使いたいんです
許可頂けませんか？」
土「...それは別にかまわねェが、
俺の質問に」
先生が話を戻そうとしたその時
ちょうどチャイムが鳴った
「あ、じゃあ許可は頂けたということで」
これ以上ここにいると
先生のペースにのまれてしまいそうで
私は足早に準備室を出た
後ろから私を呼び止める声が聞こえたが
聞こえないふりをした
調理実習はまだあと1時間ある
(屋上...は暑いし、調理室...戻るか...)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほまれ(プロフ) - Rainさん» ...嬉しすぎて泣いちゃいます...。少しずつですが、夢主ちゃんと共に成長していけたらと思っています。これからもよろしくお願いします＊ (2020年7月4日 0時) (
レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
Rain - 好きです！！夢主ちゃん好き………ほまれ様の文才能力分けて欲しいです〜 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 3d2006b17f (このIDを非表示/違反報告)
ほまれ(プロフ) - ミクさん» ありがとうございます＊沢山楽しめるように頑張って書き進めて行きますね！ (2020年6月28日 21時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
ミク - ほまれさん、頭良い！すごい。 (2020年6月28日 21時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほまれ | 作成日時：2020年6月28日 10時
