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土「落ち着いたか?」
目の前には湯気のたつコーヒーを持った先生。

「はい。」
あれからどれ程泣いていたのかは分からない。
けれど、心が少し晴れたと思えるくらいには泣いた。
私はテーブルに置かれた新しいコーヒーに
手を伸ばした。

「あちっ」
泣いて喉が乾いたからなのか
思いのほか急いで口に流れるコーヒーに肩がはねる。

土「そんな慌てて飲まなくても
淹れたばっかなんだ冷めねェよ」

「別に慌ててません」
ふいっと顔を逸らして反抗してみた。
そんなやり取りが可笑しくて笑みが溢れる。
すると先生からも微かに笑い声が聞こえた。

「...なんですか??」
ジトっと目を細めて抗議すると
返ってきた言葉は意外なものだった。

土「いや、そっちの方がいいと思ってな」
(??)
言葉の意味が分からず首を傾げる私に
先生は続ける。

土「普段教室で見せる顔よりも
笑った方がいいよお前は。
あいつらと居る時もぎこちない顔してるから
笑わねェヤツだと思ったんだが
ちゃんと笑えるじゃねェか」

「...ここには祖母に勧められて来たんです。
卒業生の...。
私、ここに来て本当に良かったと思います。」

土「いきなりなんだ」

「先生もそっちの方がいいって話です」
これは、ささやかな仕返し。
先生がくれた言葉に素直になれない私なりの
精一杯のありがとうの気持ち。

(いつか過去の事を話したいと思えるその日まで
ちゃんと言葉で伝えられたらいいな...)

テーブルの上のコーヒーに手を伸ばす。
さっきより少し冷めたそれを飲みながら
そんな事を考えていた。

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設定タグ:地縛少年花子くん   
作品ジャンル:アニメ
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ほまれ(プロフ) - Rainさん» ...嬉しすぎて泣いちゃいます...。少しずつですが、夢主ちゃんと共に成長していけたらと思っています。これからもよろしくお願いします* (2020年7月4日 0時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
Rain - 好きです!!夢主ちゃん好き………ほまれ様の文才能力分けて欲しいです〜 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 3d2006b17f (このIDを非表示/違反報告)
ほまれ(プロフ) - ミクさん» ありがとうございます*沢山楽しめるように頑張って書き進めて行きますね! (2020年6月28日 21時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
ミク - ほまれさん、頭良い!すごい。 (2020年6月28日 21時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほまれ | 作成日時:2020年6月28日 10時

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