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それはある日のことだった。
「夏服?」
桃「うん。あの、先週から夏服着衣に変わってるんだけど、ほら、瀬川さんってセーター着てるし、
ブラウスだって長袖でしょ?
それに、体育の時も長袖だし、、。
その、風紀委員の先輩から夏服を着るように伝えて欲しいって言われてて。」
今、私の目の前で目を逸らしながら
おどおどと話しているのは
同じクラスの桃…桃原さん。
お友達についてきて貰っちゃって
それぐらい1人で言いにくればいいのに。
(しかし、夏服かぁ。夏服なんて最後に着たのはいつだろうか。あぁ、確か1年生が最後、、だったかな?)
「ごめんなさい。私、体調を崩しやすいから
夏でも長袖を着用しているの。
申し訳ないけどその委員会の先輩には
そう伝えておいて。」嘘だけれど。
じゃ、と背を向けて教室を出る。
後ろからは私の答えが不満だったのか
ごちゃごちゃ言ってるのが聞こえたけど
聞こえないふりをしてそのまま歩く。
確かに最近、暑いと感じる日が多くなってきた。
正直、長袖はそろそろ厳しい。
けれど、袖を捲ろうにも捲れないし。
(ブラウスだけでも半袖に、、いや、でもなぁ)
なんて、考え事をしていたせいだと思う。
曲がり角に差し掛かった時、
誰かとぶつかってしまった。
「あっ、ご、ごめんなさ…」
体勢を立て直そうとしたその時、
暑さを我慢していたのが響いたのか
グラりと視界が揺れる。
誰かに手を引かれた感覚はあるけれど
私の瞳はその誰かを捉えられずに
意識を手放してしまった。
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ほまれ(プロフ) - Rainさん» ...嬉しすぎて泣いちゃいます...。少しずつですが、夢主ちゃんと共に成長していけたらと思っています。これからもよろしくお願いします* (2020年7月4日 0時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
Rain - 好きです!!夢主ちゃん好き………ほまれ様の文才能力分けて欲しいです〜 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 3d2006b17f (このIDを非表示/違反報告)
ほまれ(プロフ) - ミクさん» ありがとうございます*沢山楽しめるように頑張って書き進めて行きますね! (2020年6月28日 21時) (レス) id: 6e3f4d506b (このIDを非表示/違反報告)
ミク - ほまれさん、頭良い!すごい。 (2020年6月28日 21時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほまれ | 作成日時:2020年6月28日 10時