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自分でもこの気持ちがずっと分からない。
私は何のために生きてるのだろうか...
大嫌いなはずなのに...
関わったら傷つくだけだって分かってるのに...
お父さんが喜んでくれると自分の心が満たされる気がする。
優太さんは凄く好い人だけど、仕事優先なところはどことなくお父さんを彷彿させる。
なのに、私は優太さんと結婚するの？
そんなことを頭で考えてるせいで、
また、自分に言い聞かせるように”幸せ”だと言う。
ただ、こんな私でもずっと好きでいてくれる紫耀には、
そんなまやかしが見透かされてるようだ。
ずっと変わらない気持ちを正直にぶつけて来てくれたことが、
正直に嬉しかった。
私には出来なかったこと...
近づいてきた彼の顔は、
初めて会った時と変わらず美しく整っていて、それに加えて大人の色気が足されていた。
このまま彼の気持ちを素直に受け入れることが出来たらどれほど幸せなんだろう。
気持ちが揺らいでしまう。
でも...
ギュッとしてくれた紫耀から、微かにお酒の匂いがして...
その匂いを嗅いだ瞬間、
色々と彼の我慢や苦悩、今までの辛い気持ちが一瞬にして伝えられた気がした。
(もう..自分の為に生きて欲しい...)
だから私は...
紫耀が一番嫌がると分かっている
都合のいい姉と弟という言葉を口にして
彼を私の前から、去らした。
.
その日の夜、
何日かぶりに優太と一緒にベッドに入った。
すごく貴重な二人の時間なのに、
私は優太に背を向け、一点を見つめて違うことを考えていた。
そんな私を、優太はそっと後ろから抱き寄せてくれる...
優太「あともう少し。結婚したら忘れられるよ？....弟のことだって。」
(やっぱり、優太はお見通しなんだね...)
私は優太の方に体を向け...
優太の言葉に耳を傾けて...
”幸せ”だと自分に言い聞かして...
優太からのキスもその先も全部受け入れた。
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作者名：秋風 | 作成日時：2020年7月9日 3時
