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Aの唇に触れると、




ずっと自分はこの温かさを求めていたことを知る。




だから、優しく丁寧に何度も彼女の唇を下から掬いあげてその温かさを感じる。




そんな俺に向かって、




『...離...して..』




なんてAは言うくせに、体に全く力が入っていない。




(幸せなんじゃないのか?信じて欲しいなら、もっと拒めよ...)




Aの腰に当てた手に少し力を入れてるだけで、




他は余計な力など一切使ってない。




嫌なら、




キスだって拒めるはず...




簡単に逃げられるはず...




なのに...




Aはなぜか逃げない。




(本心は...どっちなんだよ。)




俺は嫌だよ..




Aがアノ人の為に将来も犠牲にするなんて...




犠牲になるのは、俺だけで十分だろ...




こんな結婚...止めろよ...




そう思うと自然とさっきよりも手に力が入って、




Aをもっと自分に近づけ、ぎゅっと強く抱きしめた。







『どうして私なの...』




Aは俺の肩の辺りで、か細い声でそう俺に聞く。




「どうしてって..」




好きな気持ちに、理由なんて...必要なのか?




『...きっと勘違いだよ、その感情は。』




(...え...)




『同じ環境でしばらく一緒に居て、そこで私の過去も知ってて...
紫耀は優しいから...私のこと可哀そうに思っただけ。それは、愛情じゃなくて同情なの。』




「勝手に決めんなっ、」




『じゃあ、もし。もしも、私の過去も知らない状態で、私と赤の他人だったら?
それでも、今みたいに私のことずっと好きでいてくれる自信ある...?』




Aは俺の服をギュッと掴んだ。




試されてるんだって思った。俺がAに対する気持ちがどんなものなのか...



正直、いい気はしないけど。



Aがそれを求めてるなら、答えるよ?




「あるよ、あるに決まって、」






でも、




『...ダメだよ....




そう言って、今度は細い腕に力を入れて俺を突き放した。

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設定タグ:平野紫耀 , 岸優太 , King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:秋風 | 作成日時:2020年7月9日 3時

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