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そんなある日、
何年かぶりに絶縁状態の父から連絡が入った。
内容は”一度家に帰って来い”との一言だけ。
私は凄く複雑な気持ちだった...
(今更...なに。)
そう思うけど...少しの期待を胸に実家に帰ることにした。
.
何年かぶりの実家。
足を踏み入れると同時に懐かしい匂いが鼻を突き抜けた。
その匂いで胸がキュっと苦しくなる...
そんな心にカバーを無理やりかぶせ、父の待つリビングへと行った。
『...お久しぶりです。』
父「おう、久しぶりだな。」
相変わらずの不愛想な返事の父。
呼び出したくせに、自分からは話そうとしない姿勢も変わらない。
『元気だった?』
父「あぁ、まあな。お前は。」
『うん、まあ。』
この微妙な空気が居心地悪いのか、早く本題に入りたいのか、
父は難しい顔をして、組んでる腕の上で指をせわしなく動かす。
もうこの時点で、
私の期待していた、娘に会いたかったという呼び出しではないことを悟る。
バカな期待をしたことに、心の中で自分で自分を笑った。
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作者名:秋風 | 作成日時:2020年7月9日 3時