記、練習試合(3)。 ページ5
貴「……怖かったー」
男子テニス部で慣れてたと思ってたけど、やっぱ男子校ってのは格が違うな。
案の定、長々とイップスの説明をしなければならなかったのだ。
「…おい、女マネ」
あ、まずい、洗濯物干さないと。練習試合後のタオルも回さないといけないのに。
「おい、お前だよ」
貴「誰だよ。…え、私？」
見ると、男子校のモブA。多分3年。
…ああ、赤也にボコボコにされた奴か。赤也にしては、ラフプレー少なかったけどねえ。
「へえ…貧相だけどいい女じゃん、こっち来いよ」
誰が貧相だ誰が。
それと、訂正。モブAじゃない。
貴「悪役Aだな」
「なにわけわかんねえこと言ってんだよ、こっちこいってんだろが！！」
…まずいな。洗濯物が。
…じゃなくて、周りに誰もいない。声出しても届くかどうか。
……ごめん。悪役A。
「おい、聞こえねえのかよ！！」
手が、伸びてくる。
貴「触るなっ！ てぇぇえいっ！！！！」
必殺、一本背負い！！
…したかったんだけど流石に可哀想だったので、軽く(？)足払い＋裏拳。
柔道は得意です。
え、これは柔道じゃない？ …そこはそれ。
軽く吹っ飛んだ悪役Aを尻目に構えを解きながら…
幸「Aっ！？」
貴「え」
なんてベタな少女漫画っぽい展開。
なんて、そんな月並みなフレーズが、月並みでないこの状況で点滅する。
いや、少女漫画ならヒロインの女の子が悪役蹴り飛ばして裏拳入れたりしないか。
そんなツッコミを自分で入れてしまうくらい、私は変に冷静で。
幸「…君、名前は？」
あっという間に、私とそいつの間に割って入った精市の背中を見て、やっぱり好きだなあ、とか思っちゃうのはやっぱり私混乱してるんだねうん。
…落ち着け。
怯えて後ずさる悪役Α。
貴「せ、精市…あんたも落ち着け」
落ち着かなくてはいけないのは、私だけじゃないようで。
冷え冷えとしたオーラを纏う神の子はなんというか…。
と、複数の足音が。
柳「A！ 無事か！」
真「何があった！？」
貴「…あ、えっと……」
なんか、これってむしろ私が加害者じゃ？
柳「…成る程、精市が、驚くような速さで突然走り出したと思ったら。……聖女、早速だが、神の子の怒りを鎮めたまえ」
…データマンがそんなあやふやなこと言っていいのかね。
でも。
貴「精市、落ち着いて、ねえ」
幸「……」
眼光は相変わらず鋭いけれど。
幸「…仕方ないね」
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かるぴん(プロフ) - とても面白くて一気読みしました！ (2021年3月15日 2時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - デカ奈さん» わああありがとうございます！！ 作者の都合で更新ガタ落ちしてすみません！！ 幸村君！ もっとがんばって！！！( (2015年3月19日 7時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
デカ奈(プロフ) - ゆっきーに……ゆっきーに……！ああ…！！←面白すぎて二度読みしました。そしてなんと言ってもゆっきーが……ああ…！！←1日過ぎちゃいましたけど、誕生日おめでとう！椿さんこれからも楽しみにしてます！ (2015年3月6日 3時) (レス) id: 6e91fdd91f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミッキーさん» 今後も幸村君にベタベタに甘やかされていくのではないかと…思います(私の精神がもつかぎり) 今後もよろしくお願いします！ (2015年2月15日 11時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー - 幸村君に愛され過ぎて夢主が羨ましすぎます！あぁ入れ替わりたぃ (2015年2月1日 16時) (レス) id: 60f2124a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2014年11月17日 19時
