記、気まぐれなマオウ。 ページ18
貴「や、ちが、だからね…！」
だからなんだ。
と、さっきからこればっかりな私。
どくどくと早鐘を打つ鼓動ははち切れんばかりで、けれども拘束は一向に解かれそうもなく。
幸「………ねえ」
貴「はっ、はいっ！！」
低く落とされた呟きに、殆ど本能的に居住まいを正す。
幸「…いや、やっぱりなんでもない」
貴「はい！ …はい！？」
するりと、拘束が解かれる。
なにがなんだかわからない私の首もとを、奴の指がさらった。
くすぐったさにぞくりと震え、ついで恥ずかしさに身を固くする。
けれども今は動かぬが吉と、私の本能が告げていた。
幸「なんでもない。…今は、ね」
精市の長くて綺麗な指がさらったのは、ローズクォーツのネックレス。
小さなローズクォーツのジャスミンに、精市は口づけた。
俯き加減に口づけたまま、精市は私の方を見る。自然と、精市は上目遣いになるわけで。
その動作が、その視線が、その鋭い瞳が、なんというかその…い、色っぽいというか…妖艶で、私はまたしても、ぞくりと震えた。
貴「な、なにやってんの精市…！」
絞り出すように糾弾すれば、返ってきたのは挑発的な微笑み。
幸「Aは俺のものっていう確認」
ぐうの音も出ない程にやり込められた私は、口を開けることも忘れてしまう。
幸「じゃ、ドリンクとタオル、よろしくね」
なんて、ちょっとだけご機嫌になった精市の後ろ姿を、ただただ呆然と見つめるしかなくて。
貴「な、なんだったんだ……」
ようやくフリーズが溶けて、けれど俯いたその瞬間目に飛び込んできたローズクォーツのネックレス。
……精市がついさっきまで口づけていた、ジャスミン。
またしても、ボンっと爆発しそうなほど、顔に熱が集中して。
貴「ね、…ネックレス、着けて来るんじゃなかった……っ！」
なんていうのはきっと八つ当たり。
精市からもらったー、なんて浮かれて着けて来たのは他ならぬこの私。
だけど今の私にとってそれは必要なことなのです。
…そうでもしなきゃ、
柳「む、今日も早いな、精市、弦一郎」
丸「着替えてくるよぃ！」
仁「……プピーナ」
なんて、少しずつ集合し始めた奴らにあわせる顔がない。
とりあえずこの真っ赤なほっぺ、どうにかしなくてはならないだろう。
ああ……熱い。
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かるぴん(プロフ) - とても面白くて一気読みしました！ (2021年3月15日 2時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - デカ奈さん» わああありがとうございます！！ 作者の都合で更新ガタ落ちしてすみません！！ 幸村君！ もっとがんばって！！！( (2015年3月19日 7時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
デカ奈(プロフ) - ゆっきーに……ゆっきーに……！ああ…！！←面白すぎて二度読みしました。そしてなんと言ってもゆっきーが……ああ…！！←1日過ぎちゃいましたけど、誕生日おめでとう！椿さんこれからも楽しみにしてます！ (2015年3月6日 3時) (レス) id: 6e91fdd91f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミッキーさん» 今後も幸村君にベタベタに甘やかされていくのではないかと…思います(私の精神がもつかぎり) 今後もよろしくお願いします！ (2015年2月15日 11時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー - 幸村君に愛され過ぎて夢主が羨ましすぎます！あぁ入れ替わりたぃ (2015年2月1日 16時) (レス) id: 60f2124a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2014年11月17日 19時
