友と、かるたと、青春と。 (ページ28)

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ナミウテココロページ28

平side

「紫耀、お前だけは絶対負けんな。」と岸くんに肩を叩かれた。

ズシンといつもは感じないプレッシャーがのしかかるのを感じた。

さっきの涙目の廉が頭から離れない。廉があんな風に思ってたなんて…。

相手は、HiHi高校。「勝つぞー！！オー！！」と急に相手の瑞稀が大きな声を上げたので、びっくりして飛び上がっちゃった。

「ありあけのー」と読み手が読むと「ハイ！！」と大きな声で相手の瑞稀がかるたを取る。

「取った〜！」「優斗、ナイス〜！！」
「いい感じ、いい感じ！さぁ、乗ってくぞ！」

え！？待って、全員取られた！？
　

横を見ると、ジンと岸くんが札を取ってた。
結果は五分五分じゃん。なのに…

「取れる取れる！！」「オー！！」と前向きにうるさいほど声を出しまくる相手のHiHiチーム。

ここで負けたら、俺らの頑張って練習してきた時間が無駄に…？そんなのやだ！

「せをはやみー」

あっ！！この札は…この札だけは…！

海「取った！！」

岸「取れたっ！！！」

神「よし、全員取っ……紫耀！？」

「瑞稀、ナイスー！！」「さすが、みずっくん！！」と相手のチームから声が上がった。

神(紫耀が…"玄樹の得意札"を取られた！？)

なんでだろ…音が、遠いな…と紫耀は感じていた。

神(紫耀がいつもの紫耀じゃない。)

岸「紫耀、しっかりしろ！！！」

海(紫耀…大丈夫かなぁ…？)

一方、その頃。廉が楽屋で俯いて椅子に座っていると、懐かしい声が聞こえた。

「廉、久しぶり。」

「玄樹…？」

そこには前より大人っぽくなった玄樹が。

「廉、何でそんな悲しい顔してるの？紫耀と何かあった？」と聞かれ、廉は涙目で玄樹に訳を話した。

「廉がいなくても、勝てるって？どうだろう？紫耀、いま負けてるよ。」

「えっ？あの、負けた事ない最強の…紫耀が…？嘘やん…。」

「嘘じゃないって。応援しに行ってあげな？」

「いや、俺より玄樹が行った方がええと思う。玄樹、行ってきーや。」と玄樹を廊下へ押し出すも、拒否られた。

玄樹と沈黙したまま、廊下でうろたえていたら、他校の子が話しているのが聞こえた。

「今、どっちが勝ってる？」

「HiHi高校が勝ちそう」

「キンプリ高校の赤のイケメンの子、今全然ダメだ。昼休みに何かあったんじゃない？」

えっ…紫耀…ホンマに負けてるん？

「ほら、廉。嘘じゃないって言ったでしょ？」

玄樹に言われて、廉は頷くと会場へ走り出した。