友と、かるたと、青春と。 (ページ3)

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強制連行⁈ ページ3

永side

イケメンに床ドンならぬ廊下ドンをされて、俺はその場にいた生徒全員の注目を浴びた。穴があったら入りたい…！
　

紫耀は、そんな周りの注目なんてお構いなしに俺に顔を近づけて覗き込んできた。

平「廉…。」

永「ちょっ…！なに、近っ…！！」///

平「廉って…綺麗な目してるよね…。」

永「え…？」

紫耀はそう呟くと、よいしょ！と立ち上がって俺の腕を引っ張った。

平「よし！廉、行くよ〜！！」

永「え…！？どこに行くん！？」

平「かるた部の部室〜！！」

永「え〜！？いやや〜！！」

俺は、紫耀に勢いよく引っ張られて部室へ強制連行されるのであった…。

部室につくと、そこには紫耀がさっき勧誘したであろう女子生徒達が沢山いた。

平「みんな〜！来てくれてありがとう。じゃ、ジン、どうする？」

神「…まずは、俺らが見本を見せればいいんじゃない？」

平「そうだね！じゃ、俺とジンで1回対戦するので見てて下さい。岸くん、読んでくれる？」

岸「はいっ！！じゃ、俺は読み手やります！！」

神「俺と紫耀は、取り手。岸くんが読んだ札を取ります。」

平「こんな感じで50枚の札を並べたら15分の暗記時間が始まります！」

廉は遠くからその様子を見て、紫耀達とよく遊んでいたかるたを思い出していた。

あれ？でも、俺らが昔やっていたのは、あんな風にしっかり並べてやるかるたじゃなくて、散らしてやるかるただった気がする。

でも、特にかるたが好きで強かった紫耀は、すみっこでジンや玄樹とあんな風にしっかり並べてやってたっけ？俺はどれだけやっても紫耀に勝てる事はなくて…。

廉はそんな昔の事を思い出しながら、懐かしいなぁ…とほくそ笑んだ。

じーっとかるたを見つめていた紫耀が、急に床をバンッバンッと叩き始めた。

周りで見ていた女子は、その紫耀の様子と大きな音に引き気味である。

女子「なになに…？」
女子「怖いんだけど…。」
女子「びっくりしたぁ…。」

神「紫耀、紫耀！怖がらせちゃってるから。」

平「あ、あぁ。ごめん！試合2分前になると素振りができるんだ。これ、素振りね！」

女子「あー…。」

女子「な、なるほど。」

紫耀とジンは向かい合って「よろしくお願いします。」とぺこりとお辞儀。そのあと、岸さんに向かってまたお辞儀した。