友と、かるたと、青春と。 (ページ20)

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俺のこと、嫌い？ページ20

平side

岸「紫耀が強いのは、分かるけど！廉と海人はまだ初心者だ。練習のペースを合わせた方がいいんじゃないかな？」

平(みんなの言う通りだ…。俺は全然周りを見れてなかった。かるたしか見えてないキャプテンなんて、キャプテン失格だよな。)

その後、ジン・岸・海人の3人は「今日は帰るわ。」と保健室から出ていった。入れ違いで玉森先生が戻ってきた。

玉「廉の親御さんに電話したけど、通じなかったんだよね。今日お仕事かな？紫耀、何か知ってる？」

俺は廉と昔から仲が良くお互いの家にも遊びに行ったりしていたので、廉の家電を知っていた。かけてみると、通じなかった。家には誰もいないようだ。

そういえば、昔から廉の両親は転勤や出張が多かった。今から廉は家に帰っても、ひとりになってしまうのか…

(こんな高熱の廉をひとりにはさせられない。それに、今回は廉の体調に気づけなかった俺の責任…。)
　

平「先生！俺ん家で廉のこと、看病する！！」

俺は廉を背中におぶって帰り、自分の家で看病をする事にした。家で冷えピタをおでこに貼ってあげると、廉は目を覚ました。

永「んぅ…しょお？ここは…？」

平「ここ、俺ん家！廉、熱出て倒れちゃったから。」

永「しょお…。おれのこと、きらい？」

平「は…！？」

　
永「しょお…俺なんかした？なんか怒らせるような事したんやったら謝るから…！」

俺は知らないうちに、廉を不安に追い込んでしまっていたようだ…。
　

平「ううん。廉は何も悪くないよ。最近、顧問に呼ばれたりしてたから、機嫌悪かっただけ。悪いのは俺だよ。かるたしか見えてなくて、廉に無理させて…。本当にごめん！！」
　

紫耀が頭を下げると、廉は首を横に振った。

永「ううん…。しょおは悪くないで。かるたに熱くて真っ直ぐなしょおがおるからみんな頑張らなきゃって思えるんよ。」

平「ううん…ごめん。廉、俺はかるただけじゃなくて、メンバーの心に寄り添えるキャプテンになるよッ！！」

俺はそれから廉の看病に努めた。廉の好きな梨を切って食べさせてあげたり、冷えピタを替えてあげたり……

永「しょお、一緒に寝たい…。」

俺の袖を掴んでそう言う廉。甘えん坊さんだな。

平「いいよ。ふぁ〜、ねむ…。」

肩を寄せてNetflixの洋画を観るうちに眠くなった俺と廉は布団に潜り込み、寝る事にした。

廉が早く元気になりますように…

おだやかな寝顔を見ながら、心の中で祈った。