友と、かるたと、青春と。 (ページ13)

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勝つんだWIN！ページ13

海side

まるであわてる兄とそれを見て喜ぶ弟…仲良し兄弟のように見えた。

神「廉が…紫耀に勝負を挑んでる！！」

海「札を動かして、紫耀を混乱させてるんだね！！」

岸「いけぇー！廉！！」

外野が騒いでいると、紫耀がため息をついた。

平「はぁ…。マジうるさいんだけど！！」

岸「…さっせん！！！」

神「…読むね。ひさかたのー…」

永「…取ったぁー！！」

神「紫耀、お手つき。」

平「…は！？触ってねーし！！」

紫耀は、それからお手つきを連発。廉の札移動作戦に完全に動揺しているようだ。

岸「で、また運命戦かよ！？」

海「うわぁ〜、これどっちだ！？」

神「ワールドカップ並みに、盛り上がってまいりました！！」

運命戦に大声で騒ぎ出した外野に紫耀は、怒りを通り越して呆れていた。

平「うるさい…もう、お前ら2度と喋れなくするぞ？」

岸「それは嫌です！！！さっせんしたぁ！！！」

ジンと海人の代わりに岸くんが勢いよく謝った。

平「れぇん、こっちの取りに来いよ。攻めないで後悔したくないだろ？」

これは、紫耀の挑発か？煽りか？

永(俺は今まで紫耀の背中を見てばっかりだったけど…。勝ちたいっ！！)

永「……つ。」

平「ん？」

永「紫耀に勝つ…！！」

平「強気だな、廉。来いよ！！」

両者ともお互いに火花を散らしている。バチバチだ…！

神宮寺が息を吸い込み、次の読み札を1字読んだ瞬間、廉は紫耀の札に素早く手を伸ばした。

紫耀は囲い手という技を使ったが、廉は左手で回り込んで一瞬早く札を取った。

平「なっ…！？」

永「よっしゃぁ！！取った！！」

岸「紫耀の囲い手を破った…！？」

海「凄いっ…！なんで！？」

神「…左利き。今回は、廉の左利きが効果的に働いたんだ！」

そうだ、廉はサウスポーである。

手の出方が対称とならないため、利き手が違う人同士が対戦すると囲い手は破りやすくなるのだ。

読まれたのは、廉が取った札だ。廉は、憧れの紫耀に前代未聞の裏返しかるたで勝利して、キラキラした笑顔を見せた。

平(そうか…！さっきからずっと廉とやりづらいなぁ〜と思ってたら、左利きだからか。)

永「紫耀、ありがとう。これで、引き分けやね！」

平「こちらこそありがとう。やっぱ俺は、廉に入部してほしい。廉が入ることで、チームは絶対に強くなる…！」

紫耀はグッと廉の両肩を持って、まっすぐ見つめた。

平「廉が、ほしい…！」