友と、かるたと、青春と。 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:33,999 hit

ロックオンページ2

永side

高校入学した俺。さて、何の部活入ろうか？

中学の時やってたサッカー部に入るか…？
全然違う軽音部とかに入るか…？
それとも、帰宅部もアリ…？

ひとりで考えててもアレやし、人の意見も聞いてみようと思い、海人に声をかけた。

「海人は何の部活、入るん？」

海「正直まだ迷ってんだよね〜。ダンス部、気になってるから、今日とりあえず体験いってみる！」

「そうなんや…。」

どうしようかなぁ…。廊下を歩いていると…なにやら騒がしい。

なんや？

「そこのアナタ！かるた部に入って下さ〜い！ぜひぜひ見学だけでも！！！お願いします！！」

はたから見たら、勧誘というよりかはほぼ強制というようなしつこい誘い方である。

ひとり、またひとりと大声で詰め寄っては、その場の生徒を困らせている生徒がいた…。

あれは中学の時に一緒に遊んでた、学園でカッコいい人気者と噂される紫耀だ…。

平「そこのアナタ！！かるた部に！」

「いや、俺バスケ部入るんで…。」

「ごめんね。俺は、ラグビー部に…。」

男子はみんなこんな感じでスルーである。…ただ、女子は違った。

平「ぜひ、かるた部に！！」

「入ります！！」
「私も！！」

平「ホントに！？ありがとう！じゃ、今日体験に来てよ！！」

女子はカッコいい紫耀に話しかけられて、キャーキャー状態である。

ボーっとその様子を遠くから見ていると、紫耀がこちらをちらっと見た。

やべぇ…目が合ったぞ。もしや俺、紫耀にロックオンされた…！？

「帰ろうっと…。」

目を逸らし、紫耀から離れようと反対方向に早歩きで進むとグイッと肩を掴まれた。

平「ねぇ、そこのアナタ！！」

アァ、終わった…。

永「僕、帰ります。急いでいるんで！！」

平「廉、お願い！！かるた部に入ってよ！！今、部員少なくて廃部寸前なんだ！」

永「し、知らんわ！そんなん！」

平「お願い！！中学生の時に一緒にやってたじゃん！ね！体験だけでも、お願い！！」

永「いや、無理…他あたってや！」

確かに紫耀とは中学生の頃、ジン・海人・岸さん・玄樹・俺含め6人で紫耀が持ってた百人一首のかるたでよく遊んでいた覚えがある。せやけど…俺は、紫耀ほど百人一首に興味なんてないし…。

永「何で俺なんよ！？えっ…わっ！？」

紫耀がぐんぐん詰め寄りすぎて、廉はバランスを崩して後ろに倒れてしまった。頭は紫耀が支えてくれて守られたものの…これ、床ドンやん！