友と、かるたと、青春と。 (ページ10)

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ツンデれんれんページ10

神side

岸「廉の好きな札50枚選んで、場所も好きな所置いていい事にしよう。廉は、それを覚えてくるだけの特別ハンデ、どうよ？」

いつの間にか岸くんが来ていた。優しい笑顔で
岸くんに肩を叩かれた廉は、ゆっくりと視線を宙に泳がせた。

永「それって…暗記した問題そのまま50問出るって感じ？」

なるほど。廉は、勉強で考えた方がイメージしやすいんだろうなぁ。

神「そんな感じ！！廉なら余裕でしょ？」

海「紫耀に勝つ廉、見たいな〜！」
　

永「分かった…明日ちょうど小テストないから、ええよ。」

岸「おう！！じゃ、覚えてこいよ！50枚！」

神「俺、百人一首を覚えやすいサイト知ってるから、後で廉に送るね。」

永「ジン、ありがとう…。じゃ、また明日。」

廉は、相変わらず塩対応で俺らの事を振り返らずに帰った。でも、去る時に一瞬だけど廉が微笑んでいたのが見えたよ。

…ツンデれんれんだな。

꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧

海人side

体験入部5日目。金曜日。今日が最終日。

神「廉、覚えてきたか？」

永「うん…。」

廉はスマホを見ながら、言った。チラッと見たら、廉のスマホ画面には、昨日ジンが言ってた百人一首のサイトが！！

やる気満々じゃないか！廉！！

岸「よし、じゃあ…やるかー！」

平「え？何を？…ってか、今日最終日だね。廉のやりたい事、今日もやるから。何がやりたい？廉？」

そういえば、昨日のあのやり取りの間、紫耀はちょうどトイレに行ってたのだ。紫耀は何も知らないだろうな…。

永「紫耀…俺と対戦してや。昨日と同じ裏返しかるたで！！」

平「え〜！？い、いいよ？やろっか！」

廉が好きな札を並べて準備している間に、俺は昨日のことを紫耀に話した。

平「えっ、それって不利じゃね？…俺、不利じゃね！？」

紫耀は怪訝そうな顔をした。

神「いいじゃん。紫耀、強いんだし。」

海「廉、ファイトー！！」

岸「廉、応援してるぞ！廉なら勝てる！！」

永「ふふっ。ありがとう…岸さん。」

札を並べ終わった廉は、岸くんの方を見て天使のようにふわりと微笑んだ。ってか、一瞬、マジで廉が天使に見えたんだが！？

紫耀は俺らの様子を見て、イラッとした。

平「チッ…四面楚歌かよ。」

岸くんが読み、本番が始まると紫耀と廉も真剣モードに入り、その場の空気がガラッと変わった。