友と、かるたと、青春と。 (ページ8)

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廉が…来ない！ページ8

○廉の体験入部3日目。

平「廉が…来ない…！」

神「あ、廉。興味ないから、帰るわー。って言ってた。紫耀どうする？このままじゃ、かるた部は廃部だけど…。」

平「やだぁぁ〜！！！」

紫耀は大声をあげて頭を抱えた。

海「紫耀、見て！！岸くんに勝ったよ！」

岸「ちげーし！！勝たせてやったんだし！！」

かるたの札を持って騒ぐ岸くんと海人を紫耀は、ぽかーんとして見つめていた。

神「なんで廉には、かるたの楽しさが伝わらないんだろう…？」

平「海人…海人。かるた、楽しい？」

海「楽しくなってきたかなぁ…。やっぱ、取れると楽しいよね！！」

紫耀は、海人の答えを聞いてハッとひらめいた。

平「それだぁーー！！」

紫耀は、すぐに廉に電話した。

平「もしもーし。」

永「あのー、俺今から塾やねんけど…。」

塾？…そういえば、廉は学年トップを取る程の秀才だったな。

平「ねぇねぇ、廉みたいに賢い人は、かるたに向いてるらしいよ！」

永「紫耀、ごめん。俺、かるた部入らないから…。」

平「廉、まだ体験入部だろ。あと2日だけでいいから、かるた部に遊びに来てほしい。お願い。」

廉は、紫耀の真剣な思いを聞いて、気怠げにため息をついた。

永「分かった…。」

平「よし！いい子だ！じゃ、明日。待ってるからな！」

紫耀は笑顔で電話を切って、明日どうすれば廉が楽しめるか考えていた。

☆

神宮寺side

体験入部4日目。木曜日。

廉がかるた部の部室に入ると、紫耀が待ってましたと言わんばかりの顔で出迎えた。

平「廉、来てくれたんだぁ！」

岸「廉、ありがとう！心の友よ！！」

なに…急に？そんなん言われても、かるた部には入部せんからな！！と廉はツンツンしているようだ。

ツンデれんれんだな。
　

平「なぁ。廉にかるたの面白さ、教えてやろうぜ！！」

紫耀は嫌そうな顔をしている廉の肩を組んで、そう言った。

神「廉、塾に行ってるって事は賢くなりたいんだよね？かるたって、頭脳戦なんだよ。」

岸「まずは、札の暗記。俺は難しいけど…早い人は5分で覚えるよ！」

海「わぉ！マジで！廉ならできんじゃね！？」

永「…覚える？全部の場所を？嘘つけよ…。」

廉は疑いの目でチラチラと俺らを見た。

平「廉、やってみたい？俺らがやる所見たい？今日と明日、廉のリクエストならなんでも聞くよ。言ってごらん？」

紫耀は優しく肩を抱きながら、廉の顔を覗き込んだ。