友と、かるたと、青春と。 (ページ16)

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じぐとれんページ16

神side

夕食のカップラーメンも食べたくないほど疲れた廉と海人は早めに帰った。

部室には、ジンと岸と紫耀が残っていた。

神「廉と海人の相手してたら自分の練習が出来ねぇだろ。個人優勝狙ってるんだったら、末っ子2人は俺と岸くんに任せて自分の練習をしたら？」

平「ジン。俺達はチームだ！玄樹とかるたしてた時…あの時みたいに、みんなとチームになりたいんだ！」

紫耀は、目を潤ませてジンを見つめた。

神宮寺は「わかったよ。」と微笑んで子供をあやすように紫耀の頭を優しく撫でた。

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冬休み特訓2日目。

「大事なのは定位置、あらかじめ決めておく自陣の配置というか…」と神宮寺は初心者の廉と海人に丁寧に教えた。

 「俺、だいぶ決まってきたよ！」と得意気に笑う海人。

 平「だけど、自分も取りやすい札は相手も取りやすいってこと忘れんなよ。どうやったら自分が取りやすくて相手に取られにくいか、何百回も練習して、自分だけの配置を体に叩き込むんだ！」

説明にも熱が入る紫耀。
いざ紫耀と対戦するとなると、廉と海人も取れなくて実力の差に落ち込んでいた。

特に廉は「裏返しかるたで紫耀に勝てたのに、表になった途端に取れない…。何で？」と落ち込んでいた。

岸「廉は、ぶっつけ本番に弱い…？」

神「いや、紫耀相手にハンデがあったのとナシの今じゃ全然違うだろう…。」

ジンと岸くんは、小声でヒソヒソと話し合っていた。

対戦表をもとに、俺達は続けて対戦していた。
今は神宮寺と廉が対戦し、海人と紫耀が対戦している。読み手は岸くん。

 試合中…海人が、紫耀から1枚取った。

 「あ…取れた！初めての札…これだけは取ろうと決めてたんだよね！嬉しい！」と取った札を胸に抱く海人。

紫耀は「すごい！海人！」とまるで自分のことのように喜んだ。

その時、俺は…廉が眉間にしわをよせて、不快な顔をしているのに気づいた。

俺は廉の様子を見て、手を挙げた。

神「ちょっと俺ら、休憩するわ。紫耀と海人でやっといて。」

俺は廉の肩を抱いて、遠くにある自販機まで連れ出した。

神「マジで練習キツいよな〜。ほい！」

俺は廉に自販機で買ったあたたかい飲み物を投げて渡した。

永「ジン…。ありがとう…。」

　
神「廉、顔が曇ってたから。どーした？自信なくしちゃった？」

ジンが優しく聞くと、「もう、俺ダメかもしれん…。」と弱音を吐く廉。