会長様と犬☆ 〜双〜 (ページ10)

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・ﾋﾞｸﾄﾘｰページ10

瑞side

瑞稀は何か思いついたようにハッとした表情になった。

瑞「大切だよ！！イケるッ！イケるよ、俺。大丈夫だよ、俺！！」

優「みずっくん…？」

瑞「やるしかないよ！俺！」

瑞稀は優斗の目の前にその3のカードを突き出した。

瑞「優斗！このカードは、お前に託す！！」

優「えっ…？」

瑞「もし、俺が狙っている手札が揃ったら、俺がペットボトルの水を飲む！そしたら、優斗がそのカードを嶺亜にチラ見せする！」

優「え、えっ？ごめん、もう一回言って！」

瑞「もう！！だから、その名もチラリズム作戦だってば！！」

瑞「嶺亜に俺がジョーカーを3で刺すって思わせるんだよッ！」

優「む、難しいよ〜！」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊〜回想終わり〜

瑞「だから、俺はただ賭けをしただけ。優斗は拾った3のカードを持ってただけ。」

嶺「そんなの、イカサマ！」

瑞「はぁ？関係ない人間がカードを持っている事が何でイカサマになるワケ？」

瑞「どうせ室内に超小型カメラでも仕掛けて、その映像をお前らのスマホに転送。で、なんやかんやして、嶺亜に手札を伝えてた！だろ？」

瑞稀の予想はちょっと合っていなかったが、嶺亜達がイカサマをしていたのは、ホントの事である。

優「え〜っ！ズルくね！？」

瑞「さぁ、大富豪さん。ど貧民のグズに60万払って下さい！」

嶺「あ、ありえねぇ！！偶然にたよって、30万賭けるなんて！！」

本「しかも、ジョーカー2枚だなんて！！」

瑞「だから？」

琳「狙い通りの手札が来たからって…！そんなのただ運が良かっただけじゃん！？」

瑞「うん。それがギャンブルってもんだろ？」

嶺亜は力なく机に突っ伏した。

瑞「俺は、賭けに勝った。ただそれだけ。」

その後…瑞稀は、嶺亜から現金60万円を嬉しそうに受け取った。

瑞「ありがと。嶺亜！じゃあね！」

嶺「なんだよ！瑞稀、覚えてろよ！いつか絶対ポチにしてやる！！」

瑞「…ばーか！お前には負けねーよ！」

瑞稀は嶺亜にあっかんべーしてから、教室を去った。

瑞稀は階段を降りて、ロビーにきた。

優「みずっくん！！」

瑞「あ、優斗。あー！分け前ね。はい、借りてた分50万！それと、勝った分半分こ！」

瑞稀は優斗に札束を分けて渡した。

優「俺、何にもしてないよ？」

瑞「大丈夫。優斗、しっかり仕事してたよ〜。」

はぁ…。もうギャンブルは、こりごりだわ。