会長様と犬☆ 〜双〜 (ページ14)

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・授業ページ14

授業中はまるで戦場のようにピリピリしている…。

先生に当てられた生徒が問題の答えを黒板に書いていくのが、この授業のスタイル。ごく普通の授業に見えるかもしれないが、しかし…

優斗が黒板に答えを書いて席に戻ってくる時だった。嶺亜は後ろの席の生徒と喋りながら、わざとらしく優斗に足を引っかけた。優斗は引っかかってバランスを崩し、派手に転んでしまった。

優「…いてっ！」

嶺「あははッ！本当にドジだね、ポチ！」

周りの7men侍や生徒達がバカにしたようにクスクス笑う中、瑞稀は優斗のそばに行き、手を差し伸べた。

瑞「優斗、大丈夫？」

優斗は嶺亜に足を引っかけられた事は今まで何度もあったが、瑞稀みたいに手を差し伸べてくれる人はいなかった。

そんな瑞稀の優しさに優斗は少し目頭が熱くなった。

優「みずっくん…ありがとう。」

瑞「大丈夫だ…優斗。俺がアイツに仕返ししてやるから！」

瑞稀は悪い顔をしながら、優斗の耳元で囁いた。

優「…え？」

瑞「だから、答え教えて！！」

優「ごめん、みずっくん。俺、自分の当たる問題しか解いてない！」

瑞「はぁ！？」

そのあと、問題は自力で解いて嶺亜が先生に当てられたのを見て、瑞稀は挙手して黒板に解答を書きにいった。

嶺亜が解答を黒板に書き、教壇から下りる瞬間を狙って、瑞稀はわざとらしく横から嶺亜に足を引っかけた。

嶺「…いってぇ〜！！」

嶺亜は瑞稀の足に引っかかり、クラスメイトの目の前で盛大に転んでしまった。

瑞「わぁ〜、ごめんね♡嶺亜！恥ずかしいくらい派手に転んだね！大丈夫？」

瑞稀が笑顔で手を差し伸べると、嶺亜は舌打ちしながら、その手を払いのけた。

嶺「調子のんじゃねーぞ？」

瑞「は？調子のってんのはどっちだ。次、優斗に同じ事してみろ…許さないからな。」

瑞稀は嶺亜の胸ぐらを掴んで、言い捨てた。

席に戻ると、瑞稀は嬉しそうに優斗にハイタッチした。

瑞「見てた？嶺亜に仕返ししてやった。イェイ！」

優「余計な事しないでよ！」

瑞「余計な事じゃねーだろ！？」

優「俺は平和に授業を受けたいの！」

優斗は、平和主義な人間で反対に瑞稀は、正義主義な人間だ。

瑞「俺は…お前に嫌な思いさせたくねーの。」

瑞稀は目線を逸らした。

優「みずっくん…ありがとう…。」

瑞「別に…。」

優(耳真っ赤だよ、みずっくん…)