会長様と犬☆ 〜双〜 (ページ12)

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・ﾎﾟﾁ…？？ページ12

翌朝。

瑞稀が教室に入って自分の席に座ると、嶺亜達が周りに群がってきた。

嶺「瑞稀、噂で聞いたんだけど…お前ら同棲してるってホント〜？」

優(…ギクッ！！)

大「マジで！？」

琳「瑞稀くん、本当〜？」

瑞「してるけど、何か？」

瑞稀は、スマホをいじりながら興味なさそうに言った。

嶺「マジか！！あはははっ！」

教室内の生徒達が瑞稀と優斗を指差して笑う。

瑞「ご主人とペットが一緒に住んで何か問題でも？」

嶺「はぁ？」

瑞稀は、手を叩いて優斗を手招きした。

瑞「おすわり。」

優斗は「えぇ？やんなきゃいけない？」と怪訝そうな顔をしたが、渋々と瑞稀の側に座りこんだ。

瑞「お手。」

優「わ…わん。」

瑞「偉いなぁ〜。さすが俺のポチ〜！！」

嶺「おいっ！俺らのポチだぞ！」

瑞「はぁ？俺のだよ。優斗は俺の言うことしか聞かねーの！残念！！」

嶺「チッ…。克樹、コンビニ行くぞ。」

本「う、うん。」

嶺亜と生徒達は、おもちゃにしていたポチを取られたので不満そうに教室を出た。
　

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〜優斗の過去編〜

優斗は入学初日に嶺亜とのギャンブルに負けて借金を背負い、ポチになってしまった。

ポチになって不当な扱いをされても優斗が毎日学校を休まず行ったのは、理由があった…。

入学式から1週間経ったある日。

女子「知ってる〜？入学初日にポチになったヤツがいるんだって〜！」

女子「ポチとか絶対ヤダー！いじめられる！」

教室内では、ポチの話題で持ちきりだ。

女子「さっきも誰かいじめられてたし！」

橋「それって、どこでいじめられてたの？」

女子「えっと…体育館裏です…。」

橋「ありがと。」

橋本涼……彼は正義感が人一倍強い生徒だった。

橋「あ。いた！」

体育館裏。物が散乱している中で倒れている生徒を見つけて駆け寄った。

橋「大丈夫〜？」

声をかけて揺さぶっても反応がなかった。

ネクタイの色が同じだから、同学年だ。ポチ札が首からかけられている…。

綺麗な顔や制服が傷だらけで痛々しい…。すぐに保健室に連れて行くことにした。

保健室で彼を寝かせ、消毒液などを準備して手当てを始めた。俺は保健委員長だから、保健室の扱いには慣れっこだ。

優「うぅ…。」
　

顔の怪我を消毒していると、その生徒の目が開いた。

優「あれ？ここは…？」