会長様と犬☆★☆★☆ (ページ33)

今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:39,729 hit

・ページ33

永side

神「いるはずないだろ。このルールだと、札の行き来は落札額との差分。つまり、落札者同士で競り合う泥沼にハマるほど、出品者の岸くんは得をする。よっぽどのバカでもなけりゃ…」

ﾁｰﾝ！

神「あっ！」

岸「20万入りました！他には？」

神「はぁ！？誰だよ、入れたヤツ！！」

ジンが立ち上がって言った。今日のジンは、なんか機嫌が悪いみたい…。

平「まぁまぁ、ジン。一方的に勝てるギャンブルなんてつまんねーだろ。」

神「そう思ってるのは、賭けグルってる紫耀だけだっつーの。」

平「ハハッ！俺が入れたとは言ってねーよ？」

ﾁｰﾝ！

岸「30万入りましたっ！！」

神「おいっ！！」

え、俺の右には紫耀。左には飛鳥が座ってるんやけど、いま、飛鳥が端末動かしたのが見えたような…

永「飛鳥、入れたん？」

飛「会長様の言う通り。せっかく来たから、ギャンブル楽しまないとね。」

あー、この生徒会には、賭けグルった奴らしかおらんのやった。

神「おいおい、これ以上余計な真似すんなよ？」

ﾁｰﾝ！

岸「80万入りました！さあ、他には？」

その後、シーンとして誰も入れなかった。ここで岸くんは落札！と言って、木製のハンマーで机を叩いた。

神「これで分かっただろ。最初と最後に入札したのは、俺。出品者は100万失った代わりに、俺達が入札した130万円を得たことになる。」

争えば、そいつの思い通りになってしまう…！！

永「あ、ジン！じゃあ、1人ずつ順番に落札していくのは、どう？」

岸「ハハハッ！ダメだよ、廉。コレはオークションだよ？談合されたら、出品者の負けが確定。万札を預かる俺としては離脱せざるを得ない。儲けたければ争ってくれ。」

なるほど…そうか。と思っていると、次のオークションが始まった。

2回目も1万から始まり、開始早々ﾁｰﾝと鐘が鳴った。「10万入りました！」

神「今のは俺が入れた10万。誰か入れた時は俺と勝負する事になる。覚悟しろよ？」

ﾁｰﾝ！

岸「20万！他には？」

神「おいっ！話聞けって！！」

環「それは副会長の方でしょう？こっちはギャンブルしに来てるんです。ねぇ？会長様？」

広報部の部長、環奈が身を乗り出して言った。

神「何だ、みんな狂って…もしや、紫耀。お前、催眠とかかけたりして…？」

平「何か言ったか、ジン？早く続きしよーぜ？」

神「くっ…！！」

紫耀の目がキラリと紅く光ったような気がした。