会長様と犬☆★☆★☆ (ページ30)

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廉side

「紫耀、どうしよ…。」

次も紫耀が命令してくれると思ってた…なのに…

「廉、お前いい加減自分で選べよ！紫耀の言いなりって、ドレイじゃねーか！」

隣の岸さんが俺の肩を揺さぶった。確かに岸さんとジーコは自分から選んでる。俺は…？

平「そうだな。岸くんの言う通りかも。じゃあ、廉。自分で好きな紐選べ。」

俺はまるで飼い主から急にリードを手放された犬だ。無理やん、そんなの。やめたい、こんなギャンブル…。

「しょお…！」

平「あ、辞めるなんて選択肢ねぇからな。廉、今辞退とかくだらん事考えただろ。」

ハイ…考えました…。
やっぱり、紫耀には何でもお見通しや…。

平「廉、俺は選べって言ったんだよ？切れとは言ってない。」

岸「えっ！！！紫耀、そういうことぉ〜！？」

隣で岸さんが大きな声で騒ぐ。なるほど、そう言う事？

「紫耀、コレにする！1番左端のやつ！」

平「いいんじゃない？切れよ。」

と、俺にハサミを渡してくる紫耀。ホンマに言うてる？切るで！？信じるで！？えいっ……！！

またしても刃は………降りなかった。廉はふぅ〜、と安堵のため息をついた。

戦いはもう終盤になり、紐は残り3本。次はジーコの番なんやけど…。

「ジーコ、大丈夫？震えとるけど…。」

さっきまで余裕そうだったのに、小刻みに震えて汗をかいている。

向「だ、大丈夫や！！」

おかしいやん…廉と岸くんは最後まで指を抜かんのか！？思ってたんと違う…。

平「ジーコ、まさか指を抜こうとか思ってないよね？このギャンブルは、紐が切れば切るほど恐怖が増す。だからお楽しみはこれからだろ…！？」

平「ほら、ジーコ！なにぐずぐずしてるんだよ！早くハサミ持って切れよッ！賭ケグルおうぜッ！！」

紫耀は興奮しているのか目が一瞬紅く光った。これが噂に聞いていた…賭ケグルイ…。

「紫耀、見とけ！おらぁッ！」

ジーコが切る瞬間…廉はぎゅっと目を瞑り、岸くんは目を細めた。誰も指を抜かず、刃が降りる音もせず、室内はシーンと静まり返った。

海「ハズレだね！次は、岸くん！」

岸「フフッ、やるじゃねーか！！盛り上がってきたぜ〜！！」

最後の1本になれば廉と岸くんは、指を抜くやろ。そうでないとアカンのや！俺は勝つ…勝つために来たんや！！

平「廉、指抜くな。抜いたらどーなるか分かってんだろーな！紫耀様、誓います。って宣言しろ。」

紫耀は廉の顎をグッと掴み、紅い目で言った。