会長様と犬☆★☆★☆ (ページ25)

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廉side

保健室では、紫耀の周りを後輩達が囲んでいた。優斗は紫耀の冷えピタを張り替え、瑞稀は紫耀の汗をタオルで拭き、紫耀に近づこうとする浮所を那須が取り押さえていた。ナイス！！

「あの、血清持ってきたんやけど…。」

打ち方とか知らんし、どうしよう！！誰かここにお医者さんはいませんか〜！って、おるわけないか…。

「廉くん、俺…打ち方、知ってます。やりましょうか？」

俺の所に近づいて来た救世主は、金髪で綺麗な顔をした後輩だった。

保健委員長、はしもっちゃんや！！

それから、はしもっちゃんに血清を打ってもらって…紫耀は大分顔色が良くなったようだ。良かったぁ。

今保健室にいるのは、ジンと俺、ベットに寝ている紫耀と帰る準備をするはしもっちゃん。

「血清、正しく作用しているみたいっすね。」

はしもっちゃんが紫耀の顔を見ながら、言った。

「正直そこも心配だったんだけどな。もっとヤバい毒とか…。」

ジンは困り顔で軽口をたたいた。そう、製薬は薬剤で生かすも殺すも可能なんや…

「あははは…じゃ、俺はこれで。失礼します。」

はしもっちゃんは苦笑いしながら、保健室を出て帰っていった。保健室にいるのは、ジンと俺と紫耀だけ。さっきの対戦を思い出しながら、ジンと喋る。

「紫耀には、参っちゃうな〜。毒で体調崩して"ジンを呼べばきっと面白くなる"って言ったんやで？」

「はぁ！？マジかよ？まぁ、紫耀らしいな。」

自分の命が危ないって時に、ほんま紫耀は…

紫耀のことだから、海人のギルブレス・シャッフルには初見で気づいていたはず。でも、ジンが気づいて勝てるかは未確定だった。

紫耀にとっては、自分の命すらベットの対象…。

生粋のギャンブル狂や。

「じゃ、俺は会議行ってくる。廉は紫耀のそばにいてあげな？それが会長補佐の仕事。」

ジンは俺の背中を軽くたたいて、保健室を出て行った。
室内はシーンとして、紫耀の息遣いだけが聞こえる。

紫耀…聞こえとる？紫耀に聞こえとるか分からんけど、伝えておくよ。

俺は紫耀に顔を近づけ、紫耀の汗ばんだ髪をとかす。

「俺は紫耀の次にこの学園の生徒会長になるよ。」

廉は目を瞑って紫耀の胸に顔を擦り寄せた…紫耀が静かにほくそ笑んだのも知らずに…。

次回は、SnowManのあの人！？