会長様と犬☆★☆★☆ (ページ23)

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海人side

「そう。廉と俺で2を独占してる…。という事は、先輩達が取りうる選択肢は1つ減り、予測しやすい。」

「ジン、手札を配られた時点で、俺らの勝ちは、決まってたん…？」

廉は首をコテンと傾げながら呟いた。

「廉が俺の言うことを聞いて信じてくれたからだよ！ありがとう！」

ジンはそう言って、わしゃわしゃと廉の頭を撫でてあげていた。

バカな！！特殊なシャッフルなんて…！と流星くんは思っただろう。

「ディーラーが全部仕組んだってことやんか！！そんなん、中立じゃないやろ！」

流星くんは俺に詰め寄って抗議してきた。

えっ、そんな甘っちょろい事言っちゃうんだ〜？俺が中立じゃないって？

「俺は最初からこうして配ってましたよ。気づけなかったのはそちらの失態。これは、数字の偏りを避ける配り方で誰かが不利になる訳ではないっすよ？」

俺が論破すると、くっ…！と流星くんは悔しそうに唇を噛んだ。

「まっ、もちろん気づけないと圧倒的に不利になるけどね…！」

俺はジンの方を見てウインクをかました。

「先輩達は毒という暴力を過信して、洞察を怠ってたですもんね？全部仕組んだっていうけど、ディーラーがルールを決めるのは当たり前じゃん？」

一部のプレイヤーが毒なんて飛び道具を使うならその条件でも全員が勝てるルールを用意する…。誰もが誰もの首を獲りうる！

「それが俺の絶対中立！！じゃ、ゲーム再開します！小瀧くん、どうぞ〜！」

あれ？小瀧くん、息が荒いような…？

「うっ…ハァハァハァ…。」

小瀧くんの手から机に、カードが滑り落ちていった。

「のんちゃん、もしかして毒が…！？」

廉は心配そうに小瀧くんに駆け寄った。

「早くカード出して下さいよ。さっさと終わらせましょうよ。」

ジンは呆れた様子で呟いた。そう、ゲームは終わっていないのだ。小瀧くんは、やっとのことで1を出した。これで合計8。

「合計8になりました！さぁ、大詰めっすね〜！」

なんだか盛り上がってきたー！やっぱ、こういう狂った賭ケを見れるのは、ディーラーの特権だよねぇ！！