会長様と犬☆★☆★☆ (ページ15)

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永side

「海人！先輩達が危険な人達って分かってたんやろ！何で俺らのギャンブル止めなかったん！？」

俺は海人の胸ぐらを掴みながら言った。これはディーラーの責任やないの！？

「廉、ごめん。俺も注視してたよ？でも、それらしい動きはなかった。なら、毒を盛られたのはこの部屋に入る前かなぁ？」

海人は首を傾げる。この部屋に入る前…？
あっ！！流星くん、さっき紫耀を抱きしめてた。まさか、その時に毒を盛った？

あの時、俺が注意してたら…！俺は…また補佐として紫耀を助けられなかったん？

「もういいっ！はよ、救急車呼ぼ！」

俺はスマホを取り出し、119を押そうとした。

「廉、ええんか？」

「えっ？」

「毒の治療で大事なんは、毒を特定すること。特定に時間がかかれば、最悪死に至るで。」

のんちゃん、そんな脅しみたいな事言わんといてや…。もうどーしたらええの？

「さ、ギャンブル続けよーや。会長の代わりに副会長が入ってもらって、副会長が勝ったらこの血清をあげるよ。」

流星くんは胸ポケットから血清の入った注射器を取り出した。紫耀を助けられる唯一の血清や…。

「もし負けたら？」

神宮寺がそう言って先輩達を睨む。

「お金払ってくれればそれでええで。」

のんちゃんの笑顔が怖い！負けたら血清は貰えへん…って事は、紫耀が死んでまう…！

「いやや…しょお！」

俺は涙目になりながら、紫耀の手を握った。

「どいつもこいつもふざけてやがるッ！さっさと席につけ！相手してやる！」

ジンがそう言って、俺たちは席についた。