会長様と犬☆★☆★ (ページ45)

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永side

「ギャンブルは、ダイススタッキング。知っとーと？」

いや…知らん。首を横に振ると、委員長がサイコロとカップを使って説明を始めた。

「遠心力を使ってカップの中で4つのダイスを縦にまっすぐ積み上げます。1番上のダイスの目と段数をかけたものが点数です。」

おぉっ。実際に委員長がサイコロをカップにおさめてから、カップを開くと4つのダイスがまっすぐ綺麗に積まれていた。

何で！？いや、どうやってすんの！？

「じゃ、同時にやりましょう。せーの！」

見よう見まねでやってみる。あれ、俺のカップからダイスが落ちた音が聞こえたような…。

「大丈夫と？開けますよ、せーの！」

委員長のかけ声とともに、カップを開ける。

委員長はダイスが4つ並んで、上の目は5
4×5=20点
俺の方は…一つも積み上がらなかった…。ムズい…！

シーンと静まる図書室。後輩にええとこ見せられんかった。穴掘って帰りたい…いや、穴があるなら入りたいやったっけ…？

「このゲーム、ひとつも積み上がらない人が多いんですよね。じゃ、50万円貰います。あ、次回お支払いでも大丈夫ですよ？」

そんなことを笑顔で言う委員長は、狂気とも言えるやろう。

「つ、次はリベンジしたるからなぁ！！」
　

そう言って俺は図書室を抜け出した。後輩達は「にぃに〜！！」と言いながら追っかけてくる。だから、にぃに呼びやめろやー！！