会長様と犬☆★☆★ (ページ32)

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・ﾊﾞﾝｯ!‼︎ ページ32

「くっ…！！」
　

健人は、浮所から手を離して両手を上げた。

「そろそろ撃つぞ。そこで止まれ。」

紫耀は、銃口を健人に近づけて表情を変えずに言った。

「ちょ、ちょっと待てよぉー！紫耀！」

これまで狂気を装っていた健人も表情が一変、実弾が入っているという状況に怯え始めたのだ。

「万が一のため、最後に俺の生徒達に何か話してもいいだろう！？」

「そういうのいいから。ってか、もう実弾が出るって決めつけてんだ？空発かもしれないってのに…。」

紫耀は、そう言って近づいていく。そうすると健人が離れる。両者は近づく、離れるを繰り返していた。
　

「あーもう。逃げるな！おい！犬！先輩を捕まえろ。」

廉はそれを聞いて、背後から健人の体を掴んで逃げられないようにした。

「ひぃっ！おい、廉…！」

「健人くん、すんません。俺、会長様の犬やから。会長様の命令は…絶対やねん…。」

廉は、後ろから健人に囁いた。

「さすが俺の犬、お利口さんだなぁ。じゃあ撃つぞ、覚悟しろ！健人くん！」

「ゔああああああぁぁぁーーー！！！」

紫耀は健人くんの叫ぶ声とともに引き金を引いた。

ﾊﾞﾝｯ！！！！！

観客席からは悲鳴が上がった。

　

「はぁはぁはぁはぁ…。」

拳銃からは鳴り響く銃声と共に実弾が発射され、健人は間一髪で銃口を逸らして命拾いしたのだった。

紫耀は舌打ちをして「つまらねぇんだよ。」と吐き捨てた。

「帰るぞ、犬。」

「あ、紫耀。待ってや！」

今回の勝負は、紫耀の勝利で幕を閉じた。

勝負に敗れた健人は学園を去り、紫耀はギャンブル禁止の罰を解かれたうえで奪われた全てのものを取り戻した。

廉も。会長の座も。
元通りである。めでたしめでたし！