バナナおにぎりダイエット ページ2
いつも通りの朝。
きっかり6:00に目は覚め、朝からテンションの高い両親と、文句をブツブツ言いながらもしぶしぶ付き合う妹の七菜香(ななか)とともにラジオ体操を終えた。
A「ちょっとコンビニ行ってくる。」
母「あら!朝ごはんは?」
A「今から買いに行くの。用意してくれたのにごめんね。」
母「あらそう!珍しいわねえ〜...まあいいわ、牛乳も一緒にお願い。」
A「はーい」
七菜香「ねえママ!白靴下がない〜!!」
朝から慌ただしい妹を横目に家を出た。
オレンジ色の空がまぶしくて目を細める。家の前の通りをまっすぐ進んで、大通りに出るとすぐにコンビニがある。徒歩圏内にスーパーも、薬局も、ファミレスもあるのはすごく便利なんだと、高校生になってから感じるようになった。それまでは親におつかいを頼まれることが嫌で、もっとずっと遠くにあればいいと思っていたのだけれど。
〜♪
外は少しひんやりするというのに、店内は律儀に冷房を効かせていた。
パーカーの袖を伸ばして、生野菜コーナーの下にわずかに置いてある果物の中からバナナを1本手に取った。ママに頼まれた牛乳も。
牛乳よりも豆乳のほうがおいしいのになあ、なんて考えながらレジに向かう。
?「あれ、Aじゃん。」
顔を上げると見慣れた顔が。
A「うわあ、麗央(れお)!おはよう。」
麗央「おはよ。うわって失礼だろ笑 っつか、バナナ1本ってこれ朝飯?」
A「..そう。ダイエットするの。」
麗央「あそ。必要なくね?ちょっと顔丸くなったくらいやん」
A「そんなレベルじゃないの!っていうか、学校間に合う?」
麗央「いや、店長にどうしても今日だけ8時までって言われてさあ。Aさ、俺んちから制服とカバン持ってきてくんない?重いもんなんもねえから。」
A「いいけど、宿題も含めて部室と教室にぜーんぶ置いて帰ってるんでしょ。」
そうだけど〜?ってつぶやきながら、麗央はレジ横にある棚から何か持ってきた。
A「なにそれ?」
麗央「朝ごはんこんなじゃ足りねえだろ。買ってやっからちゃんと食え。」
A「え!いいよいいよ!」
麗央「Aさ、低血圧なんだから朝飯こそ大事だろ!健康オタクから生まれたんだからそんくらい頭に入れとけって。」
強制的に袋に入れられたたらこおにぎり。
麗央はありがとうって言う前に裏に戻ってしまった。
まあ今日は、バナナおにぎりダイエットってことで。
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作者名:晴 | 作成日時:2021年10月1日 3時