ハッピーエンドなんていらない 2

胸の奥に潜む ページ8

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スニョンの笑顔。


久しぶりに見た、眩しい笑顔。



「え？！」

「…お？なんだよ」


玄関の扉に手をかけるスニョンが私の声に驚いたような顔をして、また振り返った。



「あ、いや、ごめん…あのさスニョン、」



どうして？なんで？
聞きたいことは沢山あった。


「ん？」


スニョンが扉から手を離して、私の方にしっかり身体を向ける。


優しい目。


聞きたいことは沢山あるのに、言葉にするのは難しい。




「テ、テストがんばろうね」

「嫌だけどなー…でも終わったら部活また出来るし頑張る」

「あはは、うん、そうだね。じゃあね、スニョン」

「おー、じゃあな」



手を軽く振って、スニョンの家の前を通り過ぎて角を曲がる。



また明日ね、とは言えなかった。


自分の家の前で立ち止まって溜息を落とす。





だけど、スニョンがすごく普通で安心した。


スニョンの笑顔を見れて本当に良かった。



私がした行動が原因かなんて、そんなことは分からないけど、もうどうだって良い。



スニョンが笑った、それだけで私の心はすごく軽くなっていた。




..




次の日の朝、スニョンの姿は見えなかった。


別に、期待してたわけじゃないけど、軽い絶望感が私を襲う。



あぁ、やっぱりなー。


今日もまたソウンちゃんと…。



きっと恋人同士の2人にしか分からない世界がある。






ねぇ、A。贅沢なことは言わないで。
またあの笑顔が見れたのだからいいじゃない。



そう、心の中のもう1人の自分に言い聞かせた。



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