繋ぎ止めるもの ページ35
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「あのさ、A」
まだ西日が強い帰り道、隣でウォヌくんが私を呼ぶ。
目線を上げると、ウォヌくんの切れ長の目がしっかりと私を見ていて、思わず足を止めてしまった。
ウォヌくんがどうしていきなり帰ろうって言ったのかは分からない。
だけど、あの時からちょっとウォヌくんは様子がおかしい。
「さっき、スニョンのこと考えてないって言ったろ？」
「え…？う、うん」
「ちょっと前まで、スニョンのことばっか考えたのにな」
「あ…」
確かに今までは何かにつけて、スニョン、って結びつけてたのに。
「それってさ、俺にもチャンスがあるってことにならない？」
「…え、っと」
ウォヌくんの口調から、何を言いたいかなんてすぐに予想ができた。
うまく言葉が続かない。
「もうさ、俺にすれば？」
ウォヌくんの言葉に、ごくり、と意図せず喉が鳴って、恥ずかしくて顔を伏せた。
「A」
ウォヌくんが遠慮がちに私の右手を取る。
その少し冷たい手に身体が震えた。
「ゆっくりでもいいって思ってたけど、でも」
ウォヌくんが自嘲気味に笑う。
「何回でも言う。俺、Aのこと好きだよ」
「……あ、あの、えっと」
「…俺のことスニョンのこと忘れるために使ってもいいから」
ウォヌくんといれば、幸せなのかもしれない。
想われない苦しみを、味わうこともない。
私も、ウォヌくんのことを好きになれるかもしれない。
そうしてスニョンのことを段々考えなくなって、
───スニョンのことを忘れて……
「……スニョンに気持ちがあってもいい。それでも…俺にちょっとでもチャンスがあるなら、」
ふ、とウォヌくんの言葉が止む。
ウォヌくんの方を見ると、その視線は私を通り越して私の後ろに向いていて。
私もその視線を追って、後ろを振り返った。
私の右手を掴むウォヌくんの手に、ぐっ、と力が入るのを感じた。
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sani(プロフ) - ぴっこりーのじみーさん» コメントありがとうございます(*^^*)ウォヌにドキドキしていただけて嬉しいです！私も書いてるあいだ、とても迷いました（ ; ; ）読んでくださりありがとうございました！ (2020年12月12日 8時) (
レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっこりーのじみー(プロフ) - だめだ、、、スニョンの話なのに推しのウォヌにドキドキしてしまう。あー、感情が。何とも言えない(´・ω・`)w (2020年12月9日 5時) (レス) id: 67de14ac92 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ひなのさん» ありがとうございます！そのお言葉がとっても嬉しいです(*^^*)最後まで読んでいただきありがとうございました（ ; ; ） (2020年10月26日 20時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - 素敵すぎてもーきゅんきゅんが止まらなかったですTT涙出ちゃいました！！ (2020年10月25日 21時) (レス) id: ede454b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます！Happy Endingリリースの発表の前に完結したお話なのですが、そのように言っていただけて本当に嬉しいです(*^^*)そして身に余るお言葉ばかり…ありがとうございます（ ; ; ）最後まで読んでいただき、ありがとうございました！ (2020年8月7日 20時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sani
| 作成日時：2018年9月10日 20時
